撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

わたしだって・・・(どんど晴れ)

 柾樹さんだったら夏美のこと幸せにしてくれるから・・
という佳奈に、それは違う。夏美ちゃんだから柾樹さんは
幸せになれるんだ・・とつぶやく聡。


 愛する人の幸せを願うのが愛するものの心・・とはいえ
本当の気持ちは、自分が好きだから相手を愛しているんだ。
思うだけでも幸せになれるから片想いも楽しいだけで、ホント
のことを言えば、愛する人には自分の方だけ向いていて
欲しいに決まってる。夏美ちゃんの幸せを願ってはいる聡くん
だけれど、自分と夏美ちゃんで幸せになりたいに決まってる。


 私だってそう思ってるよ・・私が聡くんを幸せにしてあげたい
って思ってる・・と思わず言ってしまう佳奈。
 でもって、何だか思いがけなくぽーっとなってる聡が可愛
かった。必死な片想いをしている時って、自分を想ってくれてる
ひとがいるなんて気付いてないんだなあ・・。若い頃ってそう
だったような気がする。自分が考えてるものしか世界のことが
見えてないの・・。残酷でもあり、純粋でもある。これからの
この二人もちょっぴり楽しみですね。


 式を無事終え加賀美屋に戻ってきた夏美と柾樹。すぐにでも
大女将カツノのもとへ行きたいふたりではあるのだけれど
環がそんな二人を制する。まだやらなくてはいけないことが
ある。大女将のところへいくのはすべてが無事に終わってから
・・と。ただの結婚式ではない。厳しい世界ではある・・・。