撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ひとりなんかじゃないよ(どんど晴れ)

 ひどく風の吹く夜にあらわれた謎の少年。タカダサブロウってやっぱり
そうだよねえ・・。そういう名前の作曲家の先生もいらしたような気が
するんですが・・。(合唱やってたわたしはそっちの方が印象強くて・・)


 夜にひとり佇むサブロウ、声をかける夏美。ひときわ強い風が吹いて
夏美は思わずサブロウを抱きしめる。飛んで行きそうな気がしたから・・
と。夏美のその行動がとても自然に思えた。そして、夏美はそういうこと
ができる人間なのだ。なんのてらいもなく、手を差し伸べる、抱きしめる
好きだよって言える、まっすぐな瞳で見つめる。


 もしや風の又三郎?と思わせる不思議な少年だったけれど、私には
彼がちいさな柾樹に見えて仕方がなかった。本当の柾樹があらわれる
前触れのようにあらわれたちいさな少年の柾樹。そして、彼は夏美が
言ってくれることをしてくれることをどこかで待ち望んでいたに
違いない。淋しい彼をただ抱きしめてくれること。ひとりぼっちなんか
じゃないよ、って手を握りしめてくれること。そして、お父さんは
あなたを捨てた訳じゃない、何かわけがあったんだよ、きっとお父さんも
あなたのことが大好きだよ・・・と。


 加賀美屋から夏美のもとへ電話が入る。夏美へ・・ではなかったのだ
けれど、環さんも驚くほどの偶然。そして、その偶然をけっしてそこだけに
終わらせない彼女の心遣い。


 柾樹が政良のところへやってくる。夏美がいるのだから大丈夫・・・
そう思いたいと思っている。