撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

好きだから(さくら)

ぼくはきみが好きだからきみを抱きしめる
きみと別れたくないから想いを込めてキスをする


 しばらく日本にいて、さくらのまわりの人たちとも触れあったロビーが
帰国することになった。桂木が目の前にいるのに、肩に腕をまわすロビーと
それをごく自然なことと受け入れるさくらは、やっぱり日本人じゃないな
と思ってしまった(笑)。桂木先生のほうが、気を遣ってたりして・・。


 それでも、ひとを愛する心は万国共通。とても好きだったら、どこか不安に
なって切なくなってしまうことも、より愛しているひと、落ち着いて見つめて
いる人の方が相手のことがよく見えることも・・・。


 出会ったときには桂木の差し出した手を拒んだロビーが、今回は握手を
求める桂木の手を力強く包み込んで握手を返した。まだ本人が気づいてない
さくらの心のなかの芽を、どこか感じているロビー。愛する人を想うからこそ
その目の前にいる男のなかにある「サムライ」が見える。ハワイでさくらの
帰りが待てるから・・と言ったロビーの、どこか不安で切ない心が伝わって
くる。
 自分の洞察力や人間観察能力や、そんないままで得意だったものがいまは
ちょっぴり悲しく感じられたり、これだけは自分の予感がただのくだらぬ
勘違いであってくれ・・などと思っていたのでは・・と。


 どんなに自信たっぷりで強い人間でも、どこかに弱い部分を持っている。
人を愛すると、そんな自分の脆さに気づかされたりして・・。いままで
なんとも思わなかった、かえって鼻につくほどだったこのロビーという
男が、自分と同じ人間なんだ・・と愛しく思えた今日の「さくら」でした。