撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

星逢い(どんど晴れ)

 水盤に月を映しているのかと思った。まさか星を映して
いるなんて・・。柾樹が、盛岡のほうが星が近い、という
のもわかる。


 柾樹と弟くんの会話がなんともよかったな。この姉弟、どこか
醸し出す雰囲気が似ている。姉の方が父似で浮き世離れしてて
弟のほうが母似で、どこかシビアだけれど・・(笑)。


 「逢いにいけばいいじゃない」
 「あの星にいるわけでもあるまいし」


 「本人に会って話さなくていいんですか?」
 


 幾千、幾万の星の中から、偶然だけれど偶然でない巡り合わせに
導かれたとしても、星星の物語はそれだけでおわったとしても
人と人との物語はそれでははじまりもしない。話すこと、信じること
確かめること、そしてそれは、やはり話すこと・・。


 韓流スターがモテモテだけれど、わたしはどうもいまひとつ。
確かに彼らはスターだ。素敵な生き方を見せてくれて、美しい
日本語だけをしゃべってくれる。現実感に溢れすぎている、ろくな
日本語をしゃべらない日本の男たちよりは、ずいぶん分がいいだろう。


 それでも、本当に向き合うためにはもっと理解しあうために話し
合わなければ・・。もし、そこまでできるのなら、それは、憧れの
スターでなく、ひとりの人間に対しての愛情や尊敬なのだろう。


 身近な人に対してですら、大事な人に対してですら、柾樹や
夏美のように、時に、手が届かない・・とあきらめていないだろうか?
 まだ、見知らぬひとではなく、すぐ近くにいるひとに対しても・・。


 水面に映る、星が逢うのを、眺めて楽しむ・・何とも風流な遊びの
ようだが、それはそのまま、人と人とが出逢い、縁を結ぶと言うことは
どんなに困難で、だからこそ、美しいことなのだということを教えて
くれるような気がする。