撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

はじまりは・・・

 昨夜は三日月。すこし霞んだ春の夜空に潤んだように光る
三日月と、傍らに星。空気が重かった。


 明ければやはり少し湿った暖かさ。昇る日を受けた雲にも
まだ影が残る。反対側の空はうっすら青空。今日はいったい
どんな一日が始まるの?


 澄み渡った青空もいい。しかし、このやわらかな光とどこかに
水を感じさせる少し曇りがかった青空も悪くない。春から初夏へ
季節は移ろうとしている。このあいだ春がきたと思ったばかり
なのに・・・!


 山は新緑、庭も緑。春のはじまりが固いつぼみだったなら、
初夏のはじまりは、柔らかく瑞々しい青葉。合唱組曲蔵王賛歌」
が、万緑みてる蔵王・・・から始まったことを思いだした。


 はじまりはいつも生まれている。もうすぐ薔薇も咲く。