撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

これも出会い

 ちょっとぼけてたもので突拍子もない時間に買い物にいって
しまった。ひとりでミニドライブ。お供のCDもなく仕方なしに
ラジオ。


 流れて来た曲は「上を向いて歩こう」そして「愛の賛歌」。
エディット・ピアフの歌声に圧倒されてわけもなく涙が溢れそう
だった。理屈ではなく、ただ、生きていくこと。生きている限り
愛し続けること・・・。歌詞もわからないくせに、そんなふうに
わたしのこころには響いてきた。そしてなにより、彼女の背筋を
のばして、前を向いて、しっかりと見つめている姿が見えるよう
だった。


 出逢いはどこにでも転がっている。時折、気むずかしくなって
イライラして、勝手に傷つきやすくなる自分が、いつまでも子供の
ようで嫌いだった。でも、ふと考える。そんなときは、何でもない
ことで機嫌を損ねるほどやわな精神だが、反面、いつも感じないこと
まで心に響いてくることもあることに気づいた。


 人間も何度も脱皮するのかもしれない。新しい自分に出会うため。
ひとまわり大きくなるため・・。カニのように脱皮したばかりの
自分は、柔らかいのかもしれないな・・なんて、またもや、突拍子も
ないことを考えてみる。カニだったらそのころが殻ごと食べれて
美味しいらしいですけどね。煮ても焼いてもしぶとくて食えない奴
だとは思います。