撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

のだめと純きら

 純きらで大好きなレビューを書いてたaさん、のだめカンタービレ
やっぱりいいこと書いてくれちゃってる。つい純情きらりと比べちゃう
くせはお互いなかなか抜けませんね、ましてや、ピアノは出てくるし、
達彦さんの福士くんは出てくるし・・。


 人と人との関わり方・・時代の違い・・・


 確かに、昔にくらべて人との関わり方が希薄になっていると思う。
一人でも生きていける時代だし、好きなことだけやっていても、なんとか
食いつなげる程度のことはできるし・・。


 そんな今、ましてや千秋のようなエリートがだれかと深い関わりを持つ
ためにはのだめのような、自分にない才能と、逃れられないような個性を
持っている人じゃないと、お話に必然性がないってわけね。
 その、エリートの千秋が、人生の中に必要な挫折を味わうためには、もっと
すごいエリート集団の登場と、わざとらしいほどのトラウマ経験(によって
飛行機に乗れないというコンプレックス)がないといけなかったわけだ。


 それでも、ドラマが訴えているのは人の物語。どんなに突飛なひとにでも、
どんなに特別な人にでも、自分と同じ、身の回りの人と同じそれぞれの
物語を抱えているということ。違いを認めることと、同じものを見つける
ということ・・。


 目先の物珍しさだけを楽しんで、特別な人の作り話だから・・と
それだけで終わって欲しくはない。いや、楽しく見ていればそれは充分
いいのかもしれない。絵空事だから・・と見向きもされなかったら淋しいし、
ある意味作品の力不足だろうけれど、のだめたちと一緒になって笑って泣いて
時折ふと考えて、そんな中でなにか残っていくものがあるのだろう・・。


 出会いはいつも素敵だ。本でも、ドラマでも、真剣に向き合えば何かが
芽生える。それでも・・一歩進んで本当の生身の人間と出会い、向き合う
ことは他ではできない貴重な体験だと思う。本やドラマで得た物語は、その、
ひととのつきあいをする上で大切な予備知識や、ケーススタディになって
くれることだろう。
 それでも、事実は小説より奇なり。自分で生きる、オリジナルの物語が、
一番やっかいで、それでも一番素晴らしいと思うのです。