撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

水樹和佳

 ・・・・・
 永遠の愛をあなたに


 追伸
 ・・・そしてもしあなたが望むなら
 あなたが心をよせた所にわたしはいます
 たとえば夏のやさしい木陰
 --たとえば雪のひとひら


 何故か、この一節を含むこの人の作品「雪のひとひらに」を
読みたくなった。わたしの持っているコミックスは、ぶ〜けコミックス
「灰色の御花」。収録はもうひとつ「夢追い人と桜の木」との3品。


 何年ぶりでしょう?ひさしぶりに本棚から取りだして、読んでみたら
もう、最初から最後まで泣きっぱなし、頷きっぱなし・・・。まあ
反応するのも無理はないかも・・。わたしの60パーセントくらいは、
こういう漫画や本で出来上がっているような気がする・・・。


 それにしても、戦争の引き起こす悲劇。人間である哀しみ。それでも
それ故にひかれあい、呼び合う愛。しかし、愛は、傷をいたわり合うため
だけのものでなく、美しい世界を願うような、こんな風に生きたいという
出発点からわきいでるものだと確かめたい・・と。人は人であるが故に
いつの日も同じ悩みと想いを抱えて生きているのだろうか?と思わせられる
ほどだった。繰り返し、繰り返し読み返したい・・。そしてまた、いま、
この本を手に取ったことの偶然と呼べない出会いに感謝したくなった。