撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ともだち(純情きらり)

 「亨は見るのは苦手でも、音をきくのは得意なんだな。
いい耳を神様がくれたんだな。誰にも、得手不得手はある」
 冬吾の言葉が、それもまた冬吾の言った「おなごはでこぼこの
あるほうがいい」という言葉に重なる。女だけじゃないんだね。
人はみんな、でこぼこを抱えながら生きている。それを一生懸命
埋めようとしたり、磨いたり、悩みながら、それでもそのでこぼこ
もまるごと認めてもらうことによって、安心して前に進んで
いけるんだろうね。


 マスターヒロが初めて自分を語ったような・・・。
「僕にはもういっぱい友達がいるからいいんだ」
父からもらったハーモニカを亨に譲るマスター。「ぽっかぽか」で
ぬいぐるみのくんちゃんをなくしたあすかちゃんが、「あすかは
もう大きくなったから、もっとちいさくて寂しがってる子のとこに
いったんだね」って言ったのを思い出した。人生の先輩からの
優しい優しいプレゼント・・・だね。


 友達がいるのはいいものだ。友達になってくれる、自分の大好きな
ものがあるって幸せだ。いつか、さみしさも、でこぼこも、人生の友
として、笑って歩けるようなつよさを持てたなら、それは、深く
味わい深い毎日になってくれることだろう。