撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

十代の恋(純情きらり)

 桜子を見てて思う。若いころの恋がうまくいかないはずだよ。
自分がどんな顔をしているのかすら、きっと自分で気付いて
なかったんだろうから・・。

 キヨシが来た時、どうしてそんなにまぶしい笑顔をするの?
あんなことがあったのに、なんでそんなに無邪気でいられるの?
あんたのなかでは、もう終わったことだったんだね。「ずっと
おもってる」といわれて、ちょっぴり困ったものの、心の中では、
まんざらでもないんだね。


 達彦とどうしてこんなにすれちがうのって?それは、わざわざ
訪ねてきてくれたのに、彼の話をきく前に、「あたしのピアノ
きいて」なんて、自分勝手な進め方するからだよ。用事もないのに
わざわざ家の中まであがるわけないでしょ!あんたとは違うんだ
から!坊ちゃんが愛おしくてたまりません。あんた、なんでそんな
優しいの?だれがあなたの淋しさをわかってくれるの?


 若いころの恋を考えると、顔から火が出る程恥ずかしい。うまく
いかなくって当たり前だと思う。それなのに、桜子はなんとなく
うまくいっているから、それはおかしいだろう、と文句をつけたく
なるんだろう。


 久々のかねさん。今日はおとなしかったねえ。「あんなひとでも
いなくなるとさみしいねえ、いるときは大きくて邪魔だと思ってた
けど・・」ってなことをのたまう。恋しいひとでも、邪魔になったり
するんだ!って思う方と、邪魔だと思ってるけど、さみしくなったり
するんだ!って思った方とさて、どちらが多いでしょうか?