撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

雨の朝

雨が降っている
こんもりと茂った梅の木の葉を揺らしながら
少しだけ残る雨粒が落ちていく
久しぶりにゆっくりとした朝
ぼんやりとした頭でいろいろなことを思いめぐらす


明け方に夢を見た
しばらく会わないあのひとは元気でいるだろうかと
急に気になった
あとでメールでもしてみようかと考える
そんな夢の中でもこどもの食事のことを考えていた
自分があとになっておかしくなって笑う


変わった街並み、なくなったビル
そこにあった思い出にしばし浸る
少しだけ甘酸っぱくてたいそうほろ苦い思い出は
もうなにも触れないままその胸の痛みに時折耐えたほうがいいのかな
などと
思い出話もどこまですべきか考えてみたりして・・


恋にならなかった恋
恋にし損ねた恋
・・を思っていたなずなのに
いつの間にか
門限に厳しかった父母

母の笑顔と
心配のあまり怒り顔の父
が浮かんできて笑いながら涙が出てくる



なでしこの試合がまだ胸の中にそのまま残っている
彼女たちすべてがチームの大切な細胞として生き生きと動き回っていた
その奇跡にも近い活躍
かたや前に見た時よりも数段大きく強く思えたアメリ
そのなかでもひときわ目を引く数人の選手
「日本の成長がアメリカを強くしてしまった」・・まさにそれ
壁を越えるためにはただ高みを目指すしかない
切ないほどのその苦しさと美しい潔さ!


親から子への愛情というもの
それは永遠の片思いだと
なにかにあったような・・
いまなら少しだけわかるような気がする
親として
片思いしているほうが幸せ
その逆は・・・あまりにもかわいそうなことだから


ひとに対する想い
ものごとに対する想い
それも
両思いだと思えるのはときおりの瞬間で
ほとんどの時間は片思いをしている
一瞬の両思いのときがまぶしくてうれしくて幸福なのを知っているから
ずっと片思いをできている
それも
振り向けばそこにいてくれた
親の愛情を受けたからこそできるのだろうか・・
世の中が続いていくのは
片思いができるひとがいるからこそ・・なのだろうか
などと考える


いつのまにか陽が照って
セミの鳴き声が聞こえてきた
さあ、そろそろ起きてくる子どもたちの朝ご飯をつくろう
そしてお盆の準備を始めよう
幸せな片思いができるのは
あなたたちのおかげです・・って伝えなくちゃね