撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

30年

 昔からのお気に入りのお店が30周年記念パーティーをするという
ので行ってきた。パーティーはライブハウスの熱気。今の店のメンバー
やら、昔からのOBメンバーのバンド演奏やら、みんなで踊るのもあり、
チークタイム(一曲のみ!)ありやらで、大盛り上がり。


 私もこの店には23年通ってるけれど、ここで様々な人に出会った。
いろんな人がいることに気付かせてもらった。学生時代には話せない
ような話をいっぱいしたし、いっぱい聞かせてもらった。わたしが大人
になるために絶対欠かせなかった店だ。


 ステージ側から観客の顔をみていると、みんな実に楽しそうな顔を
していた。こんなに大勢のひとを幸せにできるなんて、なんて素晴らし
いことなんだろう!


 大人が楽しめる店だからずっと好きだった。自分よりずっと年上の
ひとたちが、いかにもそこにいる時間を大切にして、お店のひとと一緒
になって楽しんでいるのがわかる店だったから・・・。いつかわたしも
そんな自分の時間を楽しめる大人になりたいと思いながら、気がついた
ら、当時のその年上のひとたちの年代もとうに越えているのだった。


 何がどう変わったかわからない。いや、きっとずっと変わらないから
ずっとそこで楽しめるのだろうな。どんなに時代が変わってもあの場所
にいけばずっと同じ時間が流れている・・・。


 本当に変わっていないわけではないのだ。その時その時の現在の
一番その店らしい空気を大事にしているからこそ、ずっとその店らしさ
が新鮮なまま変わらないでいられるのだ。


 変わらないことがどれほどの努力を必要とするのかわかってきたから
こそ、敬意を表してそういうことが言える。「30周年おめでとう!
これからもずっと変わらないでいてくださいね!」