撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

花を贈るように・・

 大変な一週間だった。深い悲しみと、大きな喜びと・・
そのどちらもを味わうことになる忙しい一週間だった。


 たくさんの夫婦や家族を見た。去年と今年を見た。何がどうと
いうことは出来ないが、去年見えなかったものが、言葉に出来な
かったことが、少しずつ分かってきたような気もする。


 愚痴や悪口や苦労話は、道ばたの石ころを蹴るように無意識に
たやすく出来る。しかしながら、ひとを誉めたり、感謝の言葉を
伝えたりすることは、花を贈るように、慣れないひとにとっては
とても難しいことなのだ。軽口でののしられると、誰から言われて
も傷つくほど伝わってしまうのに、賛美の言葉は相応しい人が
言わなければどこか白々しい。


 おしゃべりだけれど、こころを伝えるのは不器用なひとがいる。


 悪気はないのだけれど、自分が耐えなければいけないものを
自分で抱えきれずに他の人に投げ出してしまうひとがいる。それが
どんな波紋をよぶのかを想像することなしに・・・。(もしくは
投げ出す相手をよく考えずに間違える・・というものか・・)。


 そういう自分だって、心が弱くなったらどんなことを投げ出して
しまうかは分からない。


 ただ、できるだけ花を見つけ、花を贈ることの出来る人間であり
たいと思う。生き方は不器用でも、せめて穏やかなこころと、美しい
言葉だけは忘れずにいられる人間でありたいと思う。