撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

同じ釜の飯を食った仲間もしくは記憶について

大学時代の舞踏研究部の仲間4人で飲んだ
久しぶりに福岡に帰って来た彼はいろんな人と会うのを
かなり楽しみにしてたみたいだけど
お盆直前という間の悪いところで同学年の4人のみ
でもそのかわりといっては何だが企画はかなりストライクゾーンを絞れて
0次回にダンス、本会は料理とお酒の美味しい店でゆっくり
それはそれでいいんじゃない?って他人事気分で満足


大学時代には数回数種目組んだ割には
そのたびごとに悩み悩まされ
そんなにいい思い出とも思えないことの方が多かったような気がしたけど
30年ぶり(?)に踊るとあら!悪くないじゃない?っていうのが正直なところ
ひとつは試合がどうとか順位がどうとか
はたまたほかのカップルとくらべてどうとかなんていうことがないこと
そしてもうひとつはいろんなひとと踊ったからこそ分かる
ああ、最初にダンスを身につけた根っこのところが一緒なんだなあ
っていう安心感と踊りやすさ・・かな
飲みながら話すのは夏の強化練習の話
1年生の最初のときには食欲も全くなくなって
お昼にオレンジジュースとかヨーグルトとか
そんなものしか入らなかったよね(まあ4〜5日すれば慣れてきたけど)
同じ釜の飯ならぬ同じバケツの水(ゲータレード入り)を飲んだ仲間だよね


そしていろんな思い出話
大抵「そんなことよく覚えてるねえ」と言われるほうなのだが
この日ばかりは私の覚えてない話をいくつか聞いて
感心するよりも信じられなくて「ホントにわたしいた?」と疑う有様
(ひとに話をするとき信じてもらえてるかどうか気をつけようと思ったよ)


新入生歓迎のデモンストレーションでワルツ組んだよね
(はいはい確かに組みました)
あのときオーディションがあってひとカップルだけでソロでデモできるかどうか決めてさ
(あ〜・・あったあったそうだった!)
オーディションに受かったときなんでおまえが〜!って言われたんだよね
(でしょうね、私のおかげとみんな言ってくれてたよ)
で、どんなルーティンにするかなかなか決まらないから○○先輩に聞こうっていってさ
(そうそう、憧れの踊りやす〜くて上手なあの先輩ね!聞いた覚えある)
先輩の下宿まで行ったじゃない?
(覚えてない!)
そのとき部屋に××先輩がいてさ、邪魔したのかなあって
(え〜!!!まったく記憶にない!!!)


いやいやいや
自分でもびっくりしましたよ
しかもそのルーティンのイントロをいまでも覚えてて
こんなのやったよね〜!って踊ってくれたのにはもう
あんたそんなにダンス好きでしたっけ!って呆れるのに近い感情が・・・



まあ、彼は卒業後ダンスのサークルに入り
奥さんともそこで知り合い
奥さんとサークルの発表会でデモをしたときには
その新歓で使ったルーティンをさも自分で作ったように流用したらしいから
今日はもう奢ってもらっていいよね、わたしは
と、2次会3次会まで行ったとさ
もちろん奢り
30数年ぶりにようやく好印象に書き換えられて良かったね


そうか・・あの頃相手によって
ダンスが振るわなかった理由が少しだけ分かった
それはもちろん技術的な個人差ももちろんあるけれど
それ以上にあるのが向上心そしてその素は「ときめき」なのかも
自分は頑張ってる!で終わる相手と
頑張ってるのはもちろんだけどどうすればいいのだろう?と
片思いにも似た気持ちで何かを得ようと求め続けたとき
自分も相手も思った以上の成績が出た様な気がする


まあ、今頃分かってもね〜の世界ではありますが
それも「自分はまだ成長できるかもしれない」という
ひとつのピースかもしれないと思えばなんとも有意義な再会だったのかもしれない


また来年のお盆も踊りに行こうね!と約束して別れました
そこんとこは気楽気楽(笑)
ときめきはなくても昔々の連帯感はあるってあたりが
ちょうどいい感じなのかもしれないね