撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

 明け方

あなたの隣にいた
顔も見えず
音も聴こえず
色を感じることもなかったのに
あなたがわたしに話すことばが
こころに直接きこえるようで
ああ隣にいるんだなって思ってた
そして
左手の中指
爪の先にあなたのくちびるの感触



目覚めてからも
しばらく
それは消えなくて・・・


その余韻は
淋しくも悲しくもなく
ただなんとなく照れくさく
からだまでが温かくなった
こんな気持ちになるとはね
ふふっと笑って一日がはじまるのも悪くないなと思った