撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

お盆

夢ばかりみていた
一晩のうちに父と母がでてきた
母は寝ている私の枕を新しくしてくれた
ずいぶん昔のを使っているのねと言われ
そりゃあ、お母さんにもらったものだものもう10年も・・と
起きてから10年どころかもう逝ってから30年にもなることに笑った
夢の中のわたしはいったいいくつだったんだろう
父とはどこかお祭りのようなところに行っていた
なんのお祭りだか集まりだか分からないけれど
今からジャズの演奏があるみたいな様子
知らない歌手の名前をつぶやいていたような・・


仕事も休みだったし
お客さんが来るわけでもなくて
のんびりとしていたはずだったのに
寝ても寝ても眠たい
どこかへ行こうとしていたり
誰かを待っていたり
自分が誰なのか何をしようとしているのか
なんだか分からなくなるほどふわふわした夢ばかり見ていた


15日
いくら送り火はゆっくりの方がいいとはいえ
夜になってしまっては・・といいつつ暮れてから仏壇に向かう
自分で言い聞かせているのか母の声がするのか
とにかくしばらく座って考え事をしていた
答えが出るわけではないのだけれど
うんうんと母に向かって頷く
そんなときもきっと父は横で笑っているだけなのだろう
送り火は迎え火よりもいつも切ない



笑顔でいよう
笑顔でいるだけのものを私はいつももらっている
だから・・
うん、そうしよう
あとはまたその時に考えればいい
きっと守ってくれる人がいるから・・・