撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

旧友

学生時代の同期生たちと会う
大学のサークルで一緒だった仲間
仕事で遅れていったものの
「ああ、来た来た!」と数回目かの乾杯で
一気に会に溶け込む



数か月ぶりの人もいれば
数十年ぶりのひとも(ほぼ卒業以来?というひと)
10人足らずの集まりではあるけれど
誰がいて誰がいないなど気にする必要もないほど
その場を楽しむ


金曜日の夜、さりげなく集まった顔をしながら
仕事を辞め故郷に帰ったひとや
ほんの数年前に再婚して幼児の親になっているひとや
義理の親を見送って新しい仕事を始めた人や
転勤で外国に行くことが決まったひとや・・
(そのひとのはなむけの会であったのだけれど)



出会うまでより出会ってからのほうがずいぶん長くなった仲間
もちろん一緒に活動していた日々のほうが
それから会った日数よりも多いとは思うけれど
なんだかあの頃よりずいぶん深い話を
なんのてらいもなくみんなと一緒にしている


もちろん
この歳になったから話せるということはある
それでも
あの時代を一緒に過ごしたから話せるということはある


いつもそれぞれに会に出席はしていたけれど
ふたりで飲んだことなど一度もなかったねえと
ひとの少なくなった二次会の後
一杯だけふたりで飲みに行く
思いがけず大学時代のいくつかの事柄を
お互いの目を通したこととして話してみたりする
まるでBluとRossoの物語のように・・・
それももう
だからといって何がどうだというような種類のものでなく
ただ一緒の出来事に驚いてみたり笑ってみたり
その空間を共有していることにこそ価値があるようなものだけれど・・


またね
そう言って
次に会うのは数か月後なのか数年後なのか
それはいまは分からない


でも
あの時間を共有して
そしてまたその仲間として今も時々会えること
もし会えなくてもそれぞれに生きていると思えること
それはわたしたちの大事な宝だねと言いあった
それだけで今日の一日もまたかけがえのない宝物に思える