撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

小さなことを積み重ね続けていく

昨日はラグビーファンにとっては特別な日だった
ジャパンとあのオールブラックス秩父宮で対戦!
現地で観戦!したい!・・でもすごく忙しい時期だし・・


と思っていた頃
同じくラグビーつながり、あの(笑)ゴールデンオールディーズで知り合ったひとが
とある催し物を開くことになった


「福島で生きる覚悟」と題した福島市にあるお寺のつるりん和尚こと、阿部光裕ご住職の講演会
ご住職は福島第一原発事故後に福島復興プロジェクトチーム「花に願いを」を立ち上げられ
放射線量の高い場所の除染活動を地元や全国から集まるボランティアとともに精力的に行っておられる
また、その除染活動で出た汚染土をご自分のお寺の所有地に仮置き場をつくり受け入れていらっしゃる


地元ラジオ福島ではパーソナリティをつとめる番組もお持ちということで
思わず引き込まれる楽しげな話題から、仏教のお話
そしていまの福島のお話、除染活動を始めたころのお話と
一時間半ほどの時間があっという間に思えた



ひとびとの苦しみを聴いて言葉をかけるのが仕事だというのに
その苦しみが大きすぎてかける言葉を持たなかった
なにを言おうとしても理屈だけではなにも伝わらない
なにか、とりあえず今自分にできることを少しずつでもすること
被害者、被災地、という想いに留まっているのではなく
震災をバネにして動き始めるしかないということ


避難すればいいというけれどいろいろな事情で
それができないひともたくさんいる
放射線量がどれだけならいいのかそれもまだわかっているわけではないけれど
できるなら少しでも低い方がいいはず
除染によってそれができるならいまできることをするしかない


放射線量に関わる甲状腺ガンが確実に増えているのに
それは関係ないといわれる不思議
研究会ではデータとして発表されているようなのに
本人たちにはやデータが伝えられなかったり検査をしてもらえない不思議


けがれているという差別


ある程度のことは受け入れるしかない
人間が勝手に作ったものの後始末を人間がしないわけにはいかない
人間以外のいきものはなにも知らずになにもすることなしに
ただあの場所で変わらず生きているというのに




今でも放射線量が高い地域は復興どころか
立ち入ることもできず救出活動すらほんとに制限つきでしかできなかったこと
地震津波だけだったら悲劇は起こったにしても
せめて亡くなった人とお別れはできただろうに
それすらも叶わずにその場を去らなくてはいけないひともいたこと


ときおりその話の重大さに胸がつぶれそうになるとき
会場にもどういっていいかわからない雰囲気が漂うとき
ご住職はすこし間をあけて、そしてまたすこしトーンをあげて続けられて・・




正直、どうしていいかなにができるのか分からないままではある
なにかしなくてはいけないとは思うけれど
何をすればいいかもうひとつ踏み出せないでもいる



まるでそんな気持ちを察してくださったように
最後のほうでおっしゃったこと
「知るボラ・・知るというボランティアもあるのですよ
 まずは、知らなければ、知ってもらわなければ始まらないのですから」
救われた気がした
それなら私にもできる!




私にこの講演会を教えてくれた彼は
自分のまわりのひとと様々なプロジェクトを始めている
その始まりは決して特別なひとがする大掛かりなものではなく
自分のいるその場所でともだちに提案するようなもの
そしてそれがひとつひとつと繋がってこの講演会になったともいえる


私はそのひとつひとつをへえ!と感心して
フェイスブックでいいね!をつけたり
記事をシェアしたり・・くらいしかできないのだけれど
それでもそんなささやかなことに彼はいつも、ありがとう!と言ってくれる
きっと彼はまわりのひとにも伝え続けそしてちょっとしたことにも
ありがとうと感謝し続けてこうした流れをつくって来たのではないかと思う


話変わってラグビージャパン
さすがにオールブラックスは強くてトライをとらせてくれなかった
それでも試合は勝敗がわかったあと録画でみても十分見ごたえのあるものだった
ここまでに彼らがやってきたことは本当に間違っていない
今回のこの経験を生かし続けていけばきっとこの差を縮めていけると思えた
ジャパンもオールブラックスも同じ人間なんだ
ただラグビーに関する環境、レベルの高い本気の試合を
どれだけ経験できるかというものがいままで圧倒的に違っていたということ
そのレベルの高い世界で選ばれるためにそれぞれの場所でそれぞれが
とてつもない努力を続けてきたのだろうと思えた
彼らは特別なことをしているわけではなくただそのひとつひとつが
すこしづつ早かったり上手かったりそしてきっと完璧を目指してたりするんだ
だって最後、福岡選手が執念のトライをとろうとしたとき日本の若造(あえてそういう)に
オールブラックスの大選手が二人掛かりでタックルしに来て阻止するんだから!
トライラインを割らせないあのプライドといったら!
それはラグビーをするひとは誰もが持っているだろうけれど
それを本当に守るためにやるべきことを積み重ねているのだ


毎日はちいさな一歩
でもそれを続けていくことで大きなものになるのだろう
わたしにできることも微々たる小さな一歩
それでもなにかできることを探しながら
すこしずつ行動していくことによってきっとなにかが変わっていく
そう信じたい
そう信じるからこそ
知ったことを思ったことをそして伝えたいことを書き記しておきたいと思った
今日、そして、これからも・・・


※ここでは私なりの言葉で書いておりますので
 ご住職がつかわれたお言葉とすこし違う箇所もあるかもしれないことご了承ください



福島復興プロジェクト・花に願いを:http://hananinegaiwo.jp/