撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

輪郭

ここ数日掃除を続けている
主に仕事場
そして自宅に置いてある仕事関係の書類


家の中、どうしても捨てられない思い出の品が詰まった納戸以外は
その気になればすっきりとさせられる
今日はここ!と決めればかなりのものを取捨選択して整理するのは
快感に近いほど


しかしながら仕事関係のものは難しい
間もなく5年になるというのになかなか気持ちよく整理できない
仕事場に、自宅の片隅に、いろいろな資料が箱積み、山積みになっていた
しかしながら一念発起
一週間、自分の時間割で仕事をすることにして片付け実行中
仕事場の段ボールを引っ張り出して中身を確認



するとあら不思議
前回この場所でこれらを片付けたときには8割がたが保留
もしくは自信がない数件のために進まなかったものが
きもちよいほど処理できていく
自分の中で要る・要らないが、数年前より格段に確実になったということ


目の前の出来事はあまりにライブすぎて
すこしも上達も進歩もしていない気がして
本当にこの仕事を続けていいのだろうかと迷うこともしばしば
それでも自分のできていることできていないことが
すこしずつ客観的にみられるようになり
この春から始めるべきこともすこしずつ準備しているところ


片付けたから分かったのか
分かったから片付いたのか
とにかく昔の私よりは私の仕事を
自分のものとして進めていけるようにはなっているのだな
少なくとも自分の責任でなんとかしようとは思えるようになってきたのかな


正直なことをいうと
あと何年この仕事をするつもりだろう
私が本当にやりたいことはなんだったんだろう
と、時折考える


しかしまだその姿がはっきりしない今は
目の前のことをきちんとやっていくしかない
いつか自分で決断してやめる気ならなおさら
恥ずかしくないものにしてきちんと終わらせる必要がある
だからこそこの春ひそかな誓いを立てたところ



美しい木の像を彫るように
輪郭をはっきりとあらわせるように生きていこう
そしてそのためには健康な木を育てよう
好きな形を
自在の輪郭を浮かび上がらせるために
いまは腕をひろげ葉を茂らせ陽の光を受けよう


桜がそろそろ趣きを変えつつある
薄紅色にけむる神秘的な風情は捨てがたいけれど
ピンクと明るいグリーンの生命力溢れる姿も悪くない
4月・・・
始まりの月に似合う木々を見上げて
新しい日々を想う