撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

真夜中にアペリティフ(昼下がりの情事)

12時を越えていたというのに
何故か突然観たくなって本棚からDVDを引っ張り出してくる

久しぶりにはじめから観る
最初にトランクの上に座って、
そしてホテルリッツの前からチェロを自分で抱えて帰る姿を観て
いままでになく切なくなった
その前に洗面所で彼女が髪を整える場面があったせいか
こんなに強くなれる?
こんなにいじらしくなれる?
彼女はもうとうに恋してたんだな


ラストシーンを観てこの映画がどうしてこんなに好きなのか分かった
ふたりはとうに恋人同士だったのかもしれないけれど
これまではまだ恋の始まるあの時期がずっと続いていたんだ
一番ときめいて、いちばん切なくて、いちばん美しいあの時期・・


「わたしはどうせアペリティフの女・・」と彼女がうそぶくあたり
メインはどうぞほかのご婦人と・・という強がりだけれど
それだけには留まらないな・・などと
いつも始まり
いつもこれからの期待
そしてそれを口にするときの幸せな心地
彼女は世界のすべてではないけれど
世界のすべては彼女とともに輝きを増す
・・・


心地よく酔わせてもらいました