撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

仕事にいく途中
桜の木が前よりもピンクに煙っているように見えた
何本もの細い枝から立ち上るその気配
もう桜の木は春になる準備をしている


ひとも
きっと様々なものを
その身の内に抱え持ちながら
次にあらわれることがらをどこか待ち設けているのだろう


ときおり
胸が熱くなり
花火のように
明るく暗く目眩がしそうになる
桜の木もこんな想いをするのだろうか