撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

会いたいけどな(カーネーション)


学校ではひとの殺し方と
どうやって死ぬかばかりを教え
ひとはいつ死体になってもいい用意をしていました


なんて強烈
なんて鮮烈


美しい死にざまなんてないと思う
いかに生きてきたかがそのひとが死んだときに際立つだけで


堪助の出征・・・それは死への旅立ちの覚悟
ある意味、これですべてから解放されると・・
解放されるのは死んだものだけ?
本当に解放されるのだろうか?
残されたものの心にはなにが残るのだろうか


生きていればこそ愛し合うことはもちろん
せめて赦し合うことができるのではないか
愛はいつも憎しみを背中合わせに持ってはいるけれど
それはまた赦すという優しい友達も持っている
懸命に生きている人はさらさらと流れる
心をも洗う泉を持っていると思うのに・・・


電車の窓に顔を向けすこしだけ微笑んでいた堪助に
糸子の声は、想いは、届いていたと信じたい