撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

繋がる(カーネーション)

えーからはよ帰ってんか!


素人ちゃうで、あのドス
あんたらのお姉ちゃん、どっかで修行したことあるん違うか?
というまさこさんに
いや、ないと思うけど
わからへんで、うちらが知らんだけで・・
って妹たち・・おいおい!
さすが糸子さんですね、好きやわぁ、こういうひと(笑)


矢表に立つときは自ら啖呵切って
問題が解決したときは
まさこさんの話すのを一歩奥に控えて見守ってるあたり
まさに親分


御仏壇のお父ちゃんに手を合わせる糸子の横に座る優子
まるでなにもなかったように静かに座るふたり
優子の髪型とその上にのっかった大きなリボンだけが時の流れたことを告げる


毎日はゆるやかに繋がる
ひととひととも
この目に見える世界と目には見えなくてもたしかにある世界とも
何気ない毎日は
螺旋を描くようにおなじところをぐるぐるしているようにも見えるけれど
その流れを少しずつ大きくし
その目指す高みにすこしずつ近づけていくのは
なにかに気づけるかどうか・・


ミシンと鉄砲玉の違いが分からない人には
人間と石炭の区別もつかないだろう
いや・・
ミシンにも鉄砲玉にも石炭にもそしてひとひとりずつにも
どれだけの想いをそのなかに抱えているのか込められているのかを忘れてしまっては
どこか「変」になってしまうのだろう



舐めると怖い世間の風に無頓着でいるわけにもいかず
それなりの妥協も方便も必要ではあるけれど
おかっぱにしてもその上にリボンを載せる優子のように
心の中の大事なことはどこかできちんととっておいてやらなくちゃね
きっといつかまた花開く
ひとがひとに蒔いた種はその時がくれば・・
そのとき繋がっていることを思い出せば幸せの色に輝くだろう