撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

流れ(カーネーション)

辛気臭いっていうのを馬鹿にしたらあかんよ
あれは寿命縮めるからね

貞子おばあちゃんが素敵
会社はどうやら時代となんとか折り合いをつけて
おじいちゃんたちもそれなりに不自由なくやっているようで
以前おばあちゃんが言っていた「ぶさいくなもの」も扱わざるを得ないのだろうけれど
貞子おばあちゃんもそこはなんとか自分で折り合いをつけているようで
きっと彼女は自分のなかに持っている健やかな強さで
大事なものを見極めているような気がする


明るい朝日のなかで窓を開け新しい風をいれる糸子


いろんなことが起こってわやくちゃになって
それでも立ち止まることもできず泣くひまもなく
ただときおり啖呵を切りながら進んでいくしかなくて
でも進んでいくからこそ見えてくるもの開けていく道があって・・・


大事なのは客の流れ
流れをとめたらあかん


これはたしか昔おとうちゃんが言っていたような気がする・・・



貞子おばあちゃんの大島の着物で作ったモンペからヒントを得た
糸子の「着物に戻せる新しいデザインのモンペをつくる教室」
集まった5人の女性たちの魅力的なこと
若くてお洒落で負けん気が強くて
これと思ったら一張羅の着物にためらうことなく鋏を入れる勇気を持っている
そしていつのまにか何のこだわりもなく一緒に笑い合っている
お洒落が好きで恋が好きで友達が好きで自分が好きで生きることが好き
そんなエネルギーを感じさせる女たち



そういえば・・・初心の初
これは衣に刀・・布に鋏を入れることから来ているとか聞いたような・・
いつも一度きりのそんな初々しい心・・・それはまたいつも真剣勝負でもあって・・


糸子の周りに柔らかな風が吹く
笑顔、笑い声、楽しげなひとの足音
柔らかな風はゆるやかな流れをつくる
お父ちゃんが寝たままで微笑んでいるのが嬉しくて、
そしてその笑顔があたたかな風にとけていってしまいそうで少し不安だった
ひとがひとりでできることなどたかがしれてはいるけれど
自分が生きていたことをどこかの記憶にとどめてくれる存在がいてくれて
そして自分の想いが少しだけそのやわらかな風に乗っていることを感じられれば
生きてきてこれほど嬉しいことはない・・などと思う気がする