撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

マンデリンの香り

よくお邪魔するひとさまのブログで「放射冷却」という言葉を見る
この言葉、高校の地学の先生から聞いたことが印象深い


「天気がいいのに朝寒かったですねえというひとがいるが
 それは、理屈のある当たり前の話!」



(そのわけはその方のブログに書いてあって納得・笑)


高校一年のとき担任の先生
いかにもその高校の古き良き時代からの伝統を感じさせて下さる先生で
当時、ラグビー部の部長先生もしてあった
わりとお年であったにもかかわらず、先輩の女子などに言わせると
「きゃあ!あの先生が担任なの!羨ましい!」との人気だった


印象的だったのはその放射冷却とあと地層の話


「このあたりの地層は○○だから(すでに内容は覚えてない・汗)
 ゆえにうちの高校のグラウンドはすこぶる硬い!」


それを裏付けるように、のちに飲み屋さんで出会った
うちの高校に練習試合にきたことがあるという
長崎県の高校でラグビーをやっていたという方は
「あそこめっちゃ硬かった!痛くてたまらん!」
と、言っていた
グローバルアリーナで高校生の試合が始まった頃に
ラグビー部元キャプテンに後輩のプレイぶりはどうよ?と聞くと
「いいなあ・・こんな芝生の上でラグビー出来て・・・」
と、あさってのコメント付きで感慨深げだった
彼もその硬さを実感しつつの三年間だったのだろうか



高校時代、とくに目立ちもしなかったわたしは
担任の先生とことさらに言葉を交わすこともなかったが
たまに当番の用事などで理科教官室にいくと
時間帯によってはコーヒーのいい香りが立ち込めていた
噂ではその先生、相当のコーヒー好きで自分で淹れているとのことだった


とあるとき、週番日誌にとくに書くこともなく
(時折、その日の出来事を気の利いた短く面白い文章にする人もいた)
「先生ののんでいらっしゃるコーヒーは何ですか?
 モカ?キリマン?」
などと書いて提出しておいたら
次の日に
「よく知ってるね
 わたしのはマンデリンです」
と、コメントが帰ってきた


なんだか見知らぬ大人だった先生に一歩近づけたような気がして嬉しかった



当時、コーヒー豆を各種取り揃えているようなところはやはり街だけで
天神などに母と出掛けたときに「コーヒー舎のだ」で買ってもらっていた記憶がある
それからしばらくしての外出で「今日はマンデリン!」言っていた自分が
今となっては、微笑ましくもちょっぴり可愛らしくも感じられる


もうその先生もいらっしゃらない
でも・・・きっとマンデリンの香りとともに・・きっと忘れない