撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

これからが始まりですよ(ゲゲゲの女房)

次から次へと変わっていく茂のまわり
布美枝ではないけれど
「こわい」と思ってしまう
その点は戌井さんの言葉がしみてくる
これはもう昔とは別の次元に入ってしまったのだ
彼らをとりまく世界が以前より一回りもふた回りも大きくなってしまっているのだ
それがいいのか悪いのかはわからない
でもそれだけのものを動かすように!と背中を押されてしまっているのだ


イタチくんこと浦木に「変わらないなあ」と言ったふたり
それが今日はなんだかとても愛情にあふれているような気がした
茂がどんなに貧乏でもどんなに成功し始めても
彼はいつも変わらない
いつもどこか現実的でどこかシビアでどこか胡散臭い
茂に言いたい放題いって媚びることなどひとつもしない
「不誠実も貫けば誠実」なんて言葉を思い出して
なんだかある意味では安心できる存在のような気がするのが不思議


変わらないと言えば
茂のお兄さん夫婦がやっぱり生理的に嫌なのも変わらない
あの奥さんに経理をまかせるなんて!
お兄さんがにいっと笑ったのを受けて茂が同じようににいっと笑った顔が
「ああ!血のつながった兄弟だ!」って見えてしまって
もし自分が布美枝だったら自分が疎外された気分になるだろうな・・って哀しかった


戌井さんが外で飲んでいるのがちょっと悲しかったな
でもきっと今の彼はちょうどそんな気分だったのだろう
帰ってしまわずにそこでお祝いのお酒を飲んでくれているのが
ちょうど今にぴったりの気分
またそれが、彼の人柄を感じさせて涙が出そうでした


ひとが言うほど茂がいいと思えないのはどうしてだろう?
戌井さんやイタチ君のほうが可愛い、愛しいと思ってしまうのはどうしてだろう?