撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

つながっている・・

 明日は高校ラグビー全国大会・福岡県予選・2回戦(笑)。まだまだ全国に名の知れた
強いチームなんかは試合が始まってもない福岡県ですが、もう一回あったんだからね。誰も
知らなくてもいろんなところでいろんなドラマは始まっている・・・。


 明日の試合を前に今日はまじめに家族四人揃って早めに夕食。夕食後に誰が言い出した
のか何を思ったのか、過去の花園での試合の録画したやつを観る。迷ったのちに、
86回大会決勝東福岡と東海大仰星の試合。はじめから真剣勝負の試合運びに圧倒される。
それにしても3年前には想像もしなかったほど、長男がその試合に引き込まれ、いろいろと
コメントを発するのに驚く。当たり前ではあるのだけれど、本当に3年間ラグビーやって
きたのだなあと、思う。


 中学の時には、経験の浅さと、身体の不調で、いまひとつ思い切ったプレイもできず、
参加するだけで精いっぱいの感のあった彼。その後、ひとつもあったことのない中学時代の
コーチなどに言わせれば「えっ?フルで出たの?」という程度の認識。それはまあ、彼の
昔を考えれば仕方のないことかもしれない。しかしながら、子供は変わっていくというのも
事実。親ですら、毎日どうにかこうにかやってきた3年間が、今となってはこれだけ大きな
変化につながっていると正直驚いている。そしてまた・・この間の試合で一勝をあげることが
できたことで、明らかに彼らの中で何かが変化したと思える。勝ちというものは努力が実る
ということを何よりも端的に目の前に見せてくれるチャンスなのだと感じ入る。


 試合途中で、我に返ったように「これって、いまの自分たちと同じ学年ってことよね?」と
言う長男。そうそう、高校最後の冬の真剣勝負の頂点ですよ。こんなのと当たるって考え
られない?と誘うと、まあ、ひとつひとつ勝っていけばそんなことは思わないだろうけれど
・・と。そう。この見事な試合をした彼らは、あなたたちと何も変わらない高校3年生。
しかしながらこの頂点まで勝ち続けてきたのだ。そして、勝ち続けるため日々、ラグビー
向き合ってきたのでしょう。その毎日をいかに真剣に過ごしてきたことか!


 こんな試合を見ると、明日本当に全力を出して戦いたいと思えてくる・・と長男が言うのを
何とも嬉しい気分で聞いた。そう・・そうやってすべての力を出して戦ってきた高校生が
いるからこそ、頂点のこの彼らはこんなに強くなったのだ。そして、力を出し切った者だけが
その勝者の本当の強さを知るのだと思う。そして彼らを尊敬もし、また、同じラガーマン
しての誇りも共有できるのではないかと思ったりするのである。


 ささやかなこの予選の人知れぬ試合も花園につながっている・・・。