撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

うでをひろげて

あおぞらにうでをひろげて
えだをのばす梅の花
綺麗に切りそろえられ
寒さに香りをのせる枝とはまた風情をかえ
山の中腹
カレーのスパイスの匂いの漂うカフェのちかくに 
桜とみまごうばかりに奔放にかたちを顕すその姿
それでも
人気のなくなった夜更けには
その広げた腕で
やさしく包むように
本来の自分の香りを馥郁とふりまきながら
そっとたたずんでいるのだろうか
どこにでもいるような
しかし
どこのだれにもかえられない
ただひとりの大切なひとのように・・・