撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ほめること・喜ぶこと

 研修を受けているなかで、子供にどう対するか?という質問が
あった。私を指導してくださっている方は、たとえば私はメリハリを
大切にしています。褒めるときは褒める、叱るときは叱る。そして
その基準をしっかり持つこと。どんな人間に育って欲しいかを考え、
それにつながるものは大いに褒め、そこからはずれるものは叱ります、
と。100点をとったことをほめるのではなく、そこにいたるまでに
子供がどんな努力をしたか、子供にどんな進歩が見られたか・・と。


 「叱ること」と「怒ること」は違う・・というのはよく聞く言葉。
しかしもうひとつ思ったことは、「褒めること」と「喜ぶこと」もまた
違うのではないかということ。


 子供が何かを成し遂げたら親としてはとても嬉しい。手放しで喜んで
いっぱい褒めてあげたくなる。しかしながら、それが単純に通用するの
は、誰の目にも成長が分かる小さな小さな時期だけなのかもしれない。


 以前、次男が言ったことがある。「パパは(ラグビーで)トライを
とったことしか褒めてくれない」と。ダンナはそんなつもりはないと
言っていたが、相手にはそんな風に感じさせる時期があったのだろう。


 「叱ること」は難しいというが、本当は「褒めること」もまた
難しいのだろう。喜ぶことは誰にでもできる、自分の感情の発露で
あるけれど、褒めることは、相手を見つめ、相手と向き合う、相手の
ためのものであるのだから・・。そして、自分が相手にどんな人間に
なって欲しいと思っているかを伝え続けるという、大事なコミュニケー
ションでもあるのだから・・・。


 しかしながら、難しく考えても仕方ない。何も知らない他人に対して
なら確かに難しいかもしれないけれど、相手はわが子。誰よりも、何
よりも大切に思っているわが子なのだから。自分の想いを伝えることと
相手の気持ちに寄り添うこと、そんなシンプルなこと。褒めるという
ことの根っこは、子供が健やかに生きていくことを願って子供と心を
寄り添わせる、子供の喜びを自分の喜びにする・・そんなことなのかも
しれない。