撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

男の横顔(ちりとてちん)

 草若師匠と草々にいさんのやりとり。見てはいけないものを
見てしまったような気持ちになった喜代美。突然、それまでとは
違う声で「お嬢ちゃん、おかえり」と話し出す草若師匠。立ち去る
草々から顔を背けるようにする草若の横顔は、こぼれだしてしまう
感情を隠しているかのように見えた。


 出囃子の音を聞きながら階段を降りていく草々も然り。
「聞きたいことは色々あったけど、聞いたらあかん・・」そう
思わせる何か・・・。


 それに比べれば、徒然亭一門のいろいろをしゃべってくれる
小草若は少し異質?しかしながら、しょうもないことや・・
あほらしなるほどしょうもないことや・・と彼がいう、草若が
舞台に穴を空けた理由というものが、とてつもなく大きな意味の
あることに思われる。しょうもない冗談も、金のばらまき方も
オーバーアクションの笑わせも、父に対する反発と、素直に
出せない父に対する愛情と心遣いのように思えて、全然好みじゃ
ないけれど、この小草若という男も愛すべき人間に見えてしまう。
 ・・このひと、狂言の人なのよねえ・・少し前にNHKの特集で
見た覚えありますけれど、まさか朝ドラに出るとは思いもかけ
ませんでした(笑)。