撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

お目にかかれて満足です

 久々に読み返す。前に読んだのはいつだっただろうか?多分
結婚してからだったとは思うけれど・・・。


 以前気づかなかったことに気づく。以前、上っ面だけで読んで
いたことが胸にお腹に、ズシンと響くような気がする。それは
幸せなことなのだろうか、不幸なことなのだろうか。


「今が一番いい」という主人公のように、やはりどんなことが
あろうとも、どんなものを積み重ねようとも、今が一番・・と
思えるほどに自分の生を自分のものにしたいと思う。


 人に甘えること、人に何かを求めること、そんなことでは自分の
ものにはならない・・と改めて思う。そして、当たり前の毎日が
当たり前に心地よく過ぎていくためには、とてつもないちからが
必要なことも、もう気づいているはずだ。


 主人公と夫の弟との関係を特別なものだと思っていたけれど、
それは確かに特別なものには違いないのだけれど、主人公は
それに拘泥することはない。そのことによって何かに気づき
そして、またそれまで大切にしてきたものを大切にしながら
生きていくのだ。女にとって男というものは、重要な位置を占める
面倒でしかも大切で愛おしいものであるけれど、それでも、自分の
人生を生きていくのは自分なのだ・・と何故だかしんとした気持ち
になる。