撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

静けさのなかで

夜になって
花の香りがいっそう匂い立った
静けさのなかで
ちいさな音が響くように
張りつめた空気のなかを
カサブランカの香りが
その花の浮かぶ白さを感じさせながらながれる


ひとり
何も入っていないはずの箱に
幾重にも紐を掛け結ぶように
思いがけなく
心が
この香りに切なくしめつけられるようだ


まとわりつく匂いに眉をひそめながら
その香りを確かめるように呼吸している・・・


夜の静けさのなかで