撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

そんなこと言ってる場合じゃない(どんど晴れ)

 久しぶりに夏美ちゃんと柾樹くんのお話でした。智也と一緒に柾樹の
話を聞いていると、柾樹のことがよく分かる。この男もこの男なりに
きちんと考えている。いや、加賀美屋を継ぐ・・ということが、自分
だけでも、女将になる夏美だけでも、やっていけないことだと考えて
いるのは、すごいことかもしれない。まず、ひとりひとりの決心と
覚悟と資質と努力があって、その上で、二人でやっていかなければ
どちらかがどちらかのマイナスになってしまうことすらある、大変な
仕事であり生き方だということ・・・。


 聡は必死だな・・。あきらめきれない・・という気持ちは分かるけど
淋しい心、不安な心を抱えている夏美に、あの言い方はちょっとやなヤツ
に聞こえたぞ。あまりに好きな女を手に入れたいと思いすぎると、その
ことばかりで力ずくで手に入れて、その彼女の大切な中身を傷つけたり
置いてきぼりにしてしまったり・・という悲しいことがあるのかもね。
 自分がその人のどこに惚れたのか・・と考えたら、そんな悲しいことは
したくない・・と思えるのはどれくらい傷ついた後だろう・・。


 元カノだって、可愛い女なのかもしれない。頭脳や、キャリアや
人脈などなど、手持ちの札がいっぱいあるから嫌みなだけで、彼女だって
本当に好きな人をどうしても振り向かせたいと思ったら、すべて投げ出して
自分でも見たことのないような素のままの自分でぶつかっていくかも
知れない。名字にさん付けで柾樹に呼ばれた顔は、ちょっと切なく見えた。


 今日の智也くん(神木隆之介くん)はまたまた天使のようでした(えへっ)。
「お前にはまだ(仕事の厳しさなんか)分からないだろう?」と父に
言われ「当たり前じゃん、中学生だよ」と言っていたけれど、だからこそ
分かること、見えることもあるのだろう。仕事だから、離れているから、
時間がないから・・・そんなことを大人はよく言い訳に使う。でもそれで
すべての道が塞がれるわけではない。「それでもなんかできることあるだ
ろう?」という智也の言葉は真実だ。ちいさな溝は思い切って跳び越えれば
いいだけだけれど、いつしかお互いが見えないほどに離れていってしまう
ことだってあるのだから・・。人と人の関係の難しさは、仕事のような
共通の認識と理屈がいつも通用するわけではなく、それを確認することを
怠っているとどんどん話すらできなくなっていくことなんだろうと思う。


 早く、夏美と柾樹が、きちんと話ができることをお祈りしておきます。
まあ、柾樹の決心は聞いたし、夏美のお相手候補、聡の力量不足も分かった
から、当分安心して観てられるけどね・・(笑)。