撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

一青窈

 朝のひととき、「どんど晴れ」「さくら」を観たままBSを
つけていたら、一青窈さんの歌をめぐる番組があっていた。


 エキゾチックのような懐かしいような彼女の歌は好きだ。
特に、少し苦悩が滲むような曲にひかれる。たとえば「月天心
「大家」。なき父に捧げる想いを込めて・・・。


 ハナミズキ花言葉は「返礼」。アメリカに贈ったさくらの
お返しに届いたものがどの場所かにあるとか・・。
 アメリカで起こったあのテロの出来事を意識して書かれたと。


 憎しみの連鎖がどこかで愛と勇気を持って断ち切られます
ように・・と。つらい想いを抱えて生きていくには、なにか
すがるものが必要になる。時には憎しみがそのエネルギーに
なることも・・。しかし・・消えることはなくても、消すことは
出来なくても、その痛みを抱いて生きていく力が持てたなら・・。
 出来ることなら、その力は、優しく、暖かいもの・・愛から
もらえるといい・・・そう思う。


 なのに
 あなたがあまりに正直すぎるから
 わたしは
 ぎゅうっと胸がしめつけられてはずかしいよ

 
 と、はじまる「てんとう虫」。永遠を思わせる「ハナミズキ」に
いまがいい・・と歌い上げる「翡翠」。


 吉田美和の歌が、激しく揺れ動いているように見えてどこか前を
見据えた強さを感じるのに対して、一青窈の歌は、張りつめた強さを
感じながらも、どこか揺れ動く危うさを感じる。美しく狂いそうな・・。
 そして、強烈な人恋しさと、ひとりぼっちの淋しさを・・。


 全然、違うひとだけれど、わたしとも全然違うひとだけれど、
それでもどこかに持っている人間の真実の欠片をちりばめてあるから
こそ、こんなにどこかひかれるんだろうな・・と思う。


 花を贈り合うような気持で、ひとと接していけたら・・と。そう、
できればうつくしいものでつながれるといいと思う。ひとのこころは
ほんとうはうつくしいものを求めているのだと思いたい。
 花のように・・ありのままの姿を見せて美しくなれるように、素直に
純粋であることができればいいと思う。