撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

笑ろて暮らす(芋たこなんきん)

 晴子の口元がほころぶ。目元に安心の色が浮かぶ。静かに
微笑んで目をそらさずに見交わす二人の心が伝わってきて
涙があふれた。


 こころとからだはつながっているのよ・・と、患者さんと
向き合う晴子、信頼され、安心を与える、医者としてまず
尊敬している・・と。


 ひとを愛するということは、そのひとの周りもすべて含めてを
無理することなく、ごく自然に愛することだと・・・。


 自分の気持ちを自分で噛みしめて、自信を持ってひとを愛する
時、それは、自然とほほえみがこぼれてくる、幸せにつながる
のだろう。


 そして、愛に気づかせてくれるのは、やはりもっと大きな愛を
もっているひとなのだろうか。子供達に囲まれて、おばちゃん!
と慕われる町子が輝いて見える。愛は、形や、呼び方ではない。
ただ、ただ、自然にあふれ、いつか伝わっていく、目に見えない
けれど、つよく、限りないものだ。そう、信じたい。


 晴子がプロポーズされたときいた時の、優しく明るいお母さんの
笑顔が素敵だった。年をとるほどに、大きい、余裕のあるひとに
なれたら・・と憧れる。