撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

西島秀俊と般若心経

 お気に入りの本がある。ほんとうはよく分からないんだけど、とても好きな
本だ。柳澤桂子さんの「生きて死ぬ智慧」。科学者の書いた般若心経、と
いっていいかな?この方がどこかで言ってあったのは、世の中のことは科学で
説明できるとは思うけれど、現時点ではそこまで科学の方が発達していない。
お釈迦さまはものすごい天才で真理を見抜いたんだと思う・・と。


科学も真理を追究するという意味では宗教と同じものを目指してるのかも
知れないと思うなあ・・。何のために真理を追究するかって?それは幸せの
ため?いや苦しみを除くため・・なのかもしれないな。


 こんなことを思いだしたのは、西島さんが「分からない瞬間」を「豊かさ」
と呼ぶ・・という一文を見たからです。柳澤さんの、科学ではかれないものに
対する素直な畏敬のような気持ちと通じるようなところがあるような気がして
すごく印象に残りました。


 般若心経は、一元的なものの見方・・だそうです。自己と他者という二元的
なものになると、対立が起こったり、執着が起こったりするけれど、一元的な
見方をするとそれがまったくちがったものになる・・・と。科学者としては
この宇宙を原子という一元的レベルでみるということをして、受け容れると
いうこころを考える機会を与えてくれている・・というところです。
(私の拙い説明より、実物をご覧になることをオススメします)


 この間見た「メゾン・ド・ヒミコ」で、なにが印象的だったって、オダギリ
ジョーが、「ノンヶのひとからかっちゃいけませんよね」と、西島さんと絡む
シーンがあったのだけれど、そのときもうちょっとで、このひと男でも受け
容れちゃうんじゃないかしら?と思わせる、色気と不思議な包容力を感じて
しまったところ。ただの女好きを超えた、なんだか不思議な魅力をあの登場
人物に一瞬感じさせてくれたのは、西島秀俊ならではなんじゃないかな?と
思った次第です。


 ちなみに「課長 島耕作」を再度映画化するとしたら、やっぱり西島さんに
やってほしいですね。そこにいるだけでもてる・・っていうキャラはなかなか
ないですよね。で、情けなくても絵になるの(笑)。男の人にしてはめずら
しく、「ただ、受け容れる」ということをしてくれそうな魅力のあるひとだと
思います。