撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

味方

「あたしはずっと達彦さんの味方だからね」


「かわいそに わしはあんたの 味方やで」


 状況も話した人物もまったく違うのだけれど、奇しくも「味方」という
言葉が重なる。


 上は、「純情きらり」ファンには説明のいらない、桜子の言葉。下は
今日の田辺聖子さんのお話で知った、田辺さんの夫、カモカのおっちゃん
こと川野さんが田辺さんに残した最期の言葉。


 純情きらりをみた後に芋たこなんきんをみていると、全然違う話なのに
ふと共通点や同じことを訴えていることを感じることがある。この二組の
夫婦には特に...。


 味方だから...ということは、寄り添うことに繋がるように思える。
そして、夫婦でくり返し語り合うこと。そして、女性の才能を一人の
人間として認めること。音楽であれ、文学であれ...。


 無理矢理っぽいかなあ...。でも、私のなかでは、大切なことを
くり返し教えてもらっているような気分になります。これが逆の順番
だったら気付かなかったかもしれない。純情きらりという、なんの
予備知識もなかったもの、いくらか反感さえ覚えた自分と異質の
ヒロイン桜子の存在があったからこそ、深く考えることができたような
気がします。出会いはいつも不思議です。