撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

NHK 知るを楽しむ 人生の歩き方

 子供は変わるもん 今だけみてなんでこんな目にあうのかなんて
思わん方がいい


 後に残るという愛情もあると思います(だんなさんを看取って)


 ほんのちょっぴりの話だけれど、なんだかとても心に滲みた。
田辺聖子さんは、紫の上のようで、紫の上よりも幸せで愛情深い。
自分の子供を持たなかったけれど、きちんと子供を育てているところ
をみて紫の上なんて思っていたけれど、紫の上は、源氏よりも先に
死んだけれど、田辺さんは夫を看取っている。紫の上は、ある意味
源氏に失望し、子供に心を寄せているところがあるが、田辺さんは
子供をきちんと独立させ、最後まで夫婦の関係をなにより大切に
なさっていたように思う。愛に生きたと思える平安時代の女より、
もっと愛に生きていたのか。ただし、現代の愛に生きる女は、愛を
乞うのではなく、自分の人生を生き、自分の意志で愛するのだと
思う。そんな潔く、凛とした、愛を生きていきたい。


 田辺聖子さんの「苺をつぶしながら」という作品のなかで、自分の
棺は、自分の愛した男たちに担いで欲しい..という部分がある。
(お神輿みたいになっちゃうよ!というジョークを交えて)
ちょっと憧れる話。自分の死んだことを聞いて、ショックを受けて
お酒でも飲みながらちょっぴり涙ぐんでくれる男がいてくれたら
色っぽくていいな...とは、思う。でも、その反面、現実では
夫より長生きして好きなことして楽しもうとも思っている(今でも
充分好き勝手なことしているって?)。自分が、自殺などということを
考えないでいられるのは、親がいたうちは、親を悲しませたくないと
いう心だったし、今は「多分、こいつ私の葬式なんてめんどくさくて
できないんじゃなかろうか?」という心配と煩わせたくないと言う
心からである。(もちろん、子供がひとりだちするまでは、という
ものもあります)燃え尽きるほど熱愛するのもいいけれど、けちけち
愛して後に残るのもまた愛情...そう考えたらなんだか気が楽になった。


 人生がひとつひとつ違うように、愛し方もまた、生きている人の
数(いや違うな、もっと多いんだろうな)だけあるに違いない。