撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

見て見ぬ振りをしない

 BE LOVE最新号「HAPPY!」より・・・


 いじめられる理由はなんでも・・不幸だから、幸せだから
可愛いから、他と違うから・・いじめられない子に育てるなんて
出来ない。どうやっていいのかわからない。それより、いじめない
子に育てること。いじめられている人を放っておかない、いじめを
見て見ぬ振りなどしない子に育てること。そして、なにより大人が
見て見ぬ振りをしないこと・・・。


 気づくこと・・感じること・・寄り添うこと・・・。


 阪神大震災から12年。地元の市民団体が続けている、犠牲者を悼む
集い・・今年のテーマは真実。真実を見つめる「瞳」をろうそくで
描いている。


 どんなにつらいことでも目をそらさないこと。真実が語りかけて
くれるものは必ずある。震災後、ひとびとの絆を感じた・・という
方々。生まれてくる希望の光は必ずある。


 しかしながら、真実を直視し、記憶にきちんと残すのならば、決して
繰り返してはいけない部分もあるのだろう。天災と人災は違うこと。
避けられない自然災害と戦争は違うこと。


 つらいなかで、ひとの優しい心が芽生えるのなら、優しい心を
持ち続ける力も私達にはあるに違いないこと。災害の中で困った人に
手を差し伸べる勇気に心動かされたのなら、日々の暮らしの中でも
ちいさな絆を結ぶ努力ができるのではないか・・・。


 真実を見つめる瞳を、曇らせることなく、つぶることなく、この
ささやかなしかし大きな幸せをかみしめていこうと思う。