撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

きいてきいて!(芋たこなんきん)

 「ひとりでごはん食べてたら、よしみちゃんはいったい
誰にきいて欲しいことをはなすんやろか・・?」


 食卓の風景もそれぞれで、ひととの会話の仕方もそれぞれ
かもしれない。でも、確かに食べることは、ひとの心を
緩やかにしてほぐしてくれるなあ・・と思う。みんなの
食卓はその賑やかさといきいきした気分でわれ先に自分の
伝えたいことをしゃべりたくなる。しっとりとゆったりと
向き合う食卓では自分の心の奥底をぽろりとこぼしてみたり
する。そして、ひとはいい気分の記憶は残るもので、それが
心地よかったらまたそうしたいと思うもの。逆もまた真なり。


 子供が外から帰って来たとき、誰かいてくれるというのは
その気持ちを受けとめてくれるという安心感があるのかも
しれない。もちろん、大抵は話もせずにまた遊びに飛び出して
いくけれど。その時にいなくても、話せる時間がその家庭なりの
時間帯で持てればそれはそれでいいのだけれど・・。


 ふと思い出す。上の子は、おやつの時間がそうだったなあ・・。
学校から帰ってお気に入りの甘いものがあると、食卓でそれとは
なしにぽつぽつとしゃべってたなあ・・。


 今現在の我が家の食卓は、だんなと次男が先を争ってしゃべって
いるような気がする。おまけにその二人はお互いにあまりお互いの
話をきいてないような気がしてたんですが・・。それって、私に
向かっての「きいてきいて!」状態なのかな?きいてもらう相手も
実は選ぶからね・・。わたしはと言えば、自分の話をする時間が
絶対的に少なくなる立場からか、この場でしゃべりたいだけしゃべって
いるみたい。もう、大人になってしまって、話を聞く立場だけで充分
と思っているようにみえても、ひとはどこかで一生「きいてきいて!」
って、自分のことを話したがって、きいて欲しがってるのかも
しれませんね・・・。