撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

ちいさな世界(芋たこなんきん)

 町子さんのもとで働くことを決めた矢木沢さんがいう。いままで
一生懸命働いてきた、社会や男の人を相手に戦うみたいに・・でも
それって、ちいさな世界だったんだなあって。花岡先生のおうちには
いろんな、ひとりひとり違う人が一緒にいる。それのほうがすごく
スケールの大きなことなんじゃないか・・って。


 違う立場や考えや、世代も性別も違うありとあらゆる人が、ひとつの
ところに集まって、なんとかかんとかやりながら上手くやっていく・・
大家族はそのまま世界のようだ。わくわくするって!何が起こるか
わからなくって、たのしくってちょっぴりドキドキして・・。
 わたしも!という町子さんが可愛かった。結婚って、安定や慣習の
ためでなく、自分の世界を広げるためにするんだなあ。違う家のひとと
一緒になるなんて、会社の合併よりも大事業だと思う。どちらも自分が
望んでやらなければ、わくわくしないよね。


 はからずも、その前にあったNHKのニュースでは、こどもを救う電話
相談をずっとしている牟田悌三さんのはなし。ひとはみなそれぞれ違う
こと。そのことに気づくこと、認め合うことができたら・・それが
できることが、生きていくことの楽しさにつながる・・というような
お話もあった。


 以前読んだものに書いてあったこと。アメリカの強さは、あの様々な
人種の人たちを抱え持ちながら、出来上がっているところにある、もし
アメリカが、そのことを忘れてどれかひとつの考えを押し通そうとする
ようなことがあったら、あの強さは持てないだろう・・と。


 一人だけ、一つだけの価値観では世界は小さくなる。そして、それで
なければダメだと思いこむと、窮屈に、息苦しくなってくる。又、いろんな
ひととつきあわなくちゃ!なんて強迫観念になるならそれはいわんとする
ところとは食い違ってくる。お天気のいい日も悪い日も楽しむように、
夏も冬もそれぞれに楽しみがあるように、どんなところにいても、だれと
いても、肩の力を抜いて、いつもと違う見方で周りを見回すと、意外と
ワクワクすることがひそんでいるかもしれない。お茶でもいれてゆっくり
してみますか?