撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

手を差し伸べる

 先日テレビで爆笑問題の太田くんがいいこと言っていた。
槍玉に上げられる人、いじめられる人って、他の人から見たら
浮いてるんだって。その浮くっていうことは、魅力的なものを
持ってるってことなんだって。


 いじめの問題になって、いじめられたことがあるって人と
いじめられないような強さを持ちなさいっていうひととの間で
ちょっとこじれそうな雰囲気の中、すっと手を差し伸べるような
素敵な一言だった。ささやかな、しかし大切なプライドを大事に
守ってくれる騎士(ナイト)のように見えた。


 もし、誰かにいじめられても、無視されても、ほんの数人、
自分を分かってくれる人がいてくれればしばらくの間耐えることが
できる。子供のうちは、ちいさな閉ざされた世界に生きているので
身近にそんな人がいないと、世界中が真っ暗闇のように思われる。


 そんなとき、距離を置いた大人に出来ることは、やたらと励ます
ことではなくその子のちいさな自尊心を満たす、なにかを気づかせる
ことではないだろうか。その子の小さな魅力や、美しい部分や、光る
才能をひとこと誉めるだけで、新しい世界が広がるかもしれない。


 子供を守るのは、親のつとめだと思っている。しかし、親だけでは
行き詰まってしまうときもある。大人の目や手をいっぱいかけてもらう
機会のある子は、幸せなことだと思う。たとえ、ひとときしか関わる
事が出来なくても、いや、ひとときだけ・・だからこそ、なにか美しい
ものを渡すことが出来ればいい・・と思う。ほんのちいさな飴玉一個で
命が救われることだってないとは言い切れないのだから・・・。