撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

お元気ですか?(芋たこなんきん)

 結婚したものの、仕事が忙しくて逢うこともままならない町子と
徳永先生。仕事絡みで久しぶりにやってきたたこ芳で、ばったり出会う。
他人を装う事情のもと、「久しぶり・・」と複雑な顔の先生に、まるで
手紙の書き出しのような調子で「お元気ですか?」と答える町子。


 仕事のために、会うことを控える町子。お仕事にもどらんといかんから
と自分から電話を切り上げる町子。大人だなあ・・と思う。子供たちと
暮らすと楽しくてそれに浸ってしまいそう・・と心配して、徳永先生の
家に行くことも控えている。


 男は、仕事と結婚を選ぶなんて考えは持たずに過ごす
 男は、仕事仕事などと言わずにずっと仕事をしている


 仕事と結婚と両方っていうのはないんでしょうか?と悩む女編集者。
ほんの少し昔まで、こんな風に悩みながら女性は仕事をしてきたんだ。
市川ジュンは、「陽の末裔」の中で、女は歴史の上で「のりしろ」だと
いう。必要ではあるけれど表に出てはいけないもの・・である、と。
 田辺聖子さんは、主婦は家庭のパッキング(緩衝材)だと表現されて
いたことがあった。なければ、粉々に壊れてしまうものに挟まれている
もの、柔らかいだけではだめで、ある程度固さも、手応えもいるものでも
ある・・ということもにおわせてあったような・・・。


 そこのおっちゃん!と「環状線から違う線路に入っていった」女性が
心の内をぶちまける。おっちゃんも応戦。一朝一夕で答えが出るような
問題ではないけれど、ぶちまけて、さらけだして、組み立てていくことは
何より重要なことだと思う。「二人で夫婦」「夫婦の数だけの夫婦の形」
だと思う。「ねばならぬ・・は野暮」という徳永先生のこと。町子さんが
ある意味ではまだ肩肘はっているのを、何か良いアイデアでほぐして一歩
進ませてくれることと信じている。


 夢見る夢子さんの顔で、「お好み焼きかなあ・・・」と楽しみにしていた
町子さん。明日、開かれる扉の向こう側には、お好み焼きよりもっと
素敵なものが待ちかまえていてくれるような気がしますよ!