金木犀の気配
「星の時計のLiddell」の中のひとことを唐突に思い出した。
”神様”は人間が死んでもお悲しみにならないわ
みーんな死んでしまっても悲しくなんてないのよ
人間が死んで悲しいのは人間だけよ
憧れるのもいい、焦がれるのもいい、でも、肩を寄せ合って
温もりを感じたい。愛は、論ずるものではなく、確かめ合うものだ。
論じ合う人がいるとしたら、それは、でた結論よりも、ともに
論じ合えることそのものが、より愛に近いかもしれない。
ここ数週間、金木犀の気配を感じていた。今日もふと思い、外を
見ると、ようやく庭の金木犀もちいさな淡い橙色の部分を見せて
くれていた。もうすぐ本当の香りで包んでくれるだろう。