桜子を見る冬吾の瞳
最終回の桜子を見ていた冬吾の瞳が他の人たちとは、まったく
違っていたことが記憶に残っている。桜子と最後のお別れ・・
と、嘆き悲しむ人々と対照的に、冬吾は無表情だった。何故?
桜子と冬吾の特別な関係・・を考えてしまう。桜子と冬吾は
違うかたちをした同じものだ・・と。
はじめ、冬吾の方が、桜子を包んでいた。父のような存在で。
そして、あの、魂がいっしょに漂う・・という時に、きれいに
重なり合い、それから先は、どうも桜子の方が成長して、冬吾を
母のような存在として包んでいたような気がする。
母なるものに、先立たれようとしている子供が、それを受け入れ
られずに、憮然として立ちすくんでいるようにも見えた。
自分が死んでいくさまを、何かの拍子に自分で見ることになって
しまったひとのようにも見えた。
決して冷たいわけではないのだろうけれど、魂レベルで見たら
生死など、騒ぐほどのことでないと達観しているようにも見えたし・・。
それにしても、純情きらりは突っ込みどころ満載です。