撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

明日がないこと(純情きらり)

 明日でいいよ・・という達彦に、それじゃあ言えんような気が
する・・と話し続ける桜子。いつも、あきらめずに、明日を
信じて生きてきた彼女が・・。


 自分の人生が終わるということは、明日がないことなんだ。生きて
いても、生きていない気がするときは、明日が信じられないときの
ことなんだ。逆に、愛しい人たちに明日を託せるということは、
死んでも生き続けるということなんだ・・・。


 桜子が輝一に手を伸ばす。自分は、音楽の中に生き続けると言う。
一人の人生が終わったとしても、彼女はここかしこに生き続ける。
歴史に名前がのこらなくっても、大きな何かをのこせなくっても、
その人を思い出す瞬間を誰かの胸に作れたら、ましてやそれが、
幸せなものだったり、温かいものだったりしたならば、それは
随分幸せなことだろう・・。


 明日がない日はいつかやってくるかもしれないけれど、それでも
いつまでも明日はやってくる。明日を信じて生きていけば、明日を
繋いでくれる人々と、大切な毎日を生きていけることだろう。
そう信じて生きていきたい。