撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

静けさのなかで

夜になって 花の香りがいっそう匂い立った 静けさのなかで ちいさな音が響くように 張りつめた空気のなかを カサブランカの香りが その花の浮かぶ白さを感じさせながらながれる ひとり 何も入っていないはずの箱に 幾重にも紐を掛け結ぶように 思いがけなく …

なまえをつけるのは

さくら・・といえばさくらを 薔薇・・といえば薔薇を思い出す 梅・・といえば梅の香りを フリージア・・といえばフリージアの香りを思い出す ひとはどうして花になまえをつけたのだろう 花が一番似合う花の色を見つけたのが自然の奇跡ならば 人が一番似合う…

薔薇は・・

薔薇の身を守るは 棘に非ず そは香りなり・・そんな文章を読んでいっそう薔薇が好きになった つぼみの薔薇がひときわ好き それでも こぼれるような満開の薔薇もいい 群れ咲く蔓薔薇もいとおしい 散った花びらさえかぐわしい 薔薇よ咲け 思うままに咲け・・

悲しくもないのに

悲しくもないのに涙が出るよ そう 目の前のちいさな花にささやく 花はわたしにささやく そう わたしは雨に打たれるのが好きよ こころがかさかさに乾いてしまわないように ときどき悲しくなくても泣くのかもしれない 潤ってこんもりと膨らんだ大地に 潤ってつ…

春がゆく

湿った草の匂い 足元にクローバー 傍らにカラスノエンドウ 遠い昔の思い出がよみがえる むせかえるみどり みずたまり 木立からはまだ歌にならないウグイスのさえずり 今日の思いをのせて 咲き始めたつつじ 咲きこぼれるレンギョウ 紅に・・黄色に・・ わたし…

わたしは・・

今日咲いたわたしは花 自分の名前も知らずただ時知って咲く花 去年も一昨年も ずっとずっと前からここに咲き続ける 芽吹く前から決まっていたように この場所にこの季節に・・・ 誰が教えてくれたのだろう 何にひかれてきたのだろう 何もわからなくても 何が…

春が来たら

春が来たら花をつけよう 寒い冬が終わったら花をつけよう そう思えるそれだけでも しあわせなのをわすれないように・・・ 花はどんなふうに咲こうかなんて考えちゃいない だからあんなに美しいのかもしれない

空よ

ここで空を見ています ただ空を見上げています 大好きなおひさまも やさしい雨も 空から私に降り注ぐ みたことのない世界も みることのできない明日も 何も恐くはない 空はつながっているから わたしの好きなものと きっとつながっているから

秋に・・

秋に咲く花は何があったかしら? ひとりで歩く私に 花と見まごうばかりに 山の紅葉が 街路樹の銀杏が 鮮やかな彩りを投げかける 色を変え、葉を落とすそれたちが わたしに秋の深まりを知らせる どうぞ 鮮やかなままに・・ 秋の淋しさを隠したまま 寒く暖かい…

降りしきる・・

降りしきる花びらのように 愛の言葉をください 花びらに埋もれて 花の香に酔いしれて わたしはあなたの夢を見ます もし あなたの夢にわたしが現れたときは どうぞ思い出してください そして つよくつよく 抱きしめてください 花びらとともに 降りしきる花び…

ただひとつの

手折った花を連れ帰り飾り あなたの側に置いたとしても あなたのいつもの花瓶に飾ったとしても その花がいることによって そこが特別の空間にならないくらいなら 花瓶だけを鑑賞するほうがよっぽど趣味がよい どんなちいさな花でも 命の重さと同じのプライド…

巡る

夏の記憶残して夏がいく めざめると 秋の風が吹いていた 水面に浮かんだ花びらは 夏の記憶 空と海の青を映すガラスの箱の中 刹那の真実で永遠の愛を誓った 秋には秋の花が咲く どんな誓いの言葉よりも 真実の色をして 巡る季節のその時に いちばんふさわしい…

はなびら

水に浮かぶ花びら 水に揺れる花びら わたしのところまできてくれてありがとう ひとつひとつ 指先でひろいあげて 水が流れていくのを見送った とどめておくことはできないけれど そのままのかたちではいられないけど でも 忘れない あなたのことは忘れない

咲く

はなが咲く時って こころにあかりがともるようだ ぽっ・・ってちいさなあかりが・・ こころのまんなかが 温かい気がする なんのはなが咲いているのだろう?

キライ!

宙ぶらりんなあたしのココロ いったいどこへ置いたらいい? あえる・あえない・あえる・あえない・ 花占いのはなびらも もうぜんぶなくなりそう すき・きらい・すき・きらい あなたがなにも 言ってくれないから あいたいよって言っても 待ってるよって言って…

薔薇の木の下で

大好きな花を見つめ続ける 恋しいひとを想い続ける 思い続ければ夢が叶うように 想い続ければ・・・ 真実が生まれることもあるのだろうか

アポストロフィS

あなたと 接吻いたしましょう 桜草が咲いたなら 李の花が咲いたなら 梨の花も待ちましょう グミの花もそえましょう 薔薇が咲いては遅すぎる トゲが二人をさすでしょう 香りがあなたを殺すでしょう 薔薇の花が咲くまえに 椿の一枝髪にそえ あなたと 接吻いた…

闇にうかぶ花

記憶の底に咲く花 闇の中に漂う甘い香り ひんやりとした光を放ちながら そこだけ温かい空気に満ちている 手をのばしてもとどかないのに すぐそこにあるように浮かび上がる どうしてここに辿り着いたの? どうしてわたしをみつけたの? 夢のなかで問いかける …

あなたへ〜桜に寄せて〜

ほんのすこしまえに あなたとみたまちの風景も すっかり季節を着替えたようです ことしのさくらは とてもきれいでした あなたと満開のさくらをみたくて なんどもなんども さくらの木を見上げては あなたとの約束を 心待ちにしていました いちどめは まだつぼ…

花のように

人生を楽しむこと ひとのことをとやかく言わぬこと 新しいことを怖れぬこと 繰り返しを厭わぬこと 季節が来れば 自分に一番似合う色で 何も言わずにただそこにいる 花のように

曇り空の日には

曇り空の日には 明るい色の花を飾ろう 私だけのための おひさまののように 曇り空の日には うつくしい花を想おう 楽しいおもいでたち あなたからの便り

花をみつける

少し前の日曜日のこと いつも行く場所の 一面緑の芝生の中に何か発見 よく見ると 張り付くように ちっちゃくちっちゃく咲いている タンポポでした。 いじらしいやらしぶといやら あまりに不似合いなその場所で 可憐な黄色のその花は そこだけのどかに春をし…

つぼみが

不思議な気がした 未来のわたしを感じた 過去のあなたをみた 同じことを 考えて 感じてた あなたとわたしがいた どこかでつぼみがほどける音がした はじめて祈っていた ・・・いつまでも一緒にいられますように・・・

今日の花は

わたしの今日の花は芍薬(シャクヤク)幾重にもかさなった花弁を重そうにささえながら滲みそうな紅色して立っているあなたの肩にあたまをのせて瞼の奥で記憶の底でわたしのどこかであかいはなびらが散っていくのを感じていた滲む紅に染められながら解き放た…