しんと静かな夜は
さりげない言葉に
その時の想いを載せた
昔の手紙を読むように
いまはいない人との
そんなやりとりを読み返す
もう増えることのない
消すこともできない言の葉
深くとろりと熟成した
ガラス瓶の中の果実酒のよう
それに酔うことはないけれど
時折眺めて心を落ち着ける
墓地で待ってます 照子(スカーレット 1-6)10月5日放送分
冒頭の風呂焚きといい野菜つくりといい
喜美ちゃんのスーパーウーマンぶりが素晴らしい
草間さんにあって字が読めるようになって
元からのパワーにきちんとしたものが与えられた感じ
見方によってはこんな小さな子がこんなに家の仕事して・・
と、親の考え方の方がちょっと・・とも感じられるけど
いまとは家の中の仕事の手間が段違いに多い
まず水道がないだけで家の仕事はどんなに増えることだろう
喜美ちゃんの凄いのはそのどれもを自分の技術にしているところ
お風呂焚きを任されて嫌がるどころかできた時には
よっしゃ!と喜びにしているところがなんともいいな
立ち向かう器量を持ち、達成の充実感を知っている
照子から信作へのラブレター?
そしてやっては来たものの喜美子へ伝言を頼み帰る信作
自分で言えと信作に言ってから照子へ伝言するまで
なんともおかしな変顔の喜美子は
「本来こういう伝言は私は認めないのだけどね」という
無言のそして無意識の抵抗による別人格つくりか?とか思ったりして(笑)
「うすうす分かってたわ」
そのあとに続く照子の見解はいかにも照子が言いそうなことだけど
本当の照子の心の底にはどれだけのものが沈んでいることか
いま分かることもまだぼんやりとしか分からないことも
おませでこの地のお嬢様の立場で戦争を過ごして兄を亡くして
喜美子とはまた別の立場で無邪気なだけの子どもではいられなくなる頃
兄の墓の前で目を瞑って手を合わせてくれる喜美子は
そんな彼女のなかでどんな存在になっていくのか
口に出す言葉は自分から素直に近づきはしないものの
もうしっかりと、いやもうびっくりするほど
距離を縮めてくるその様子は
彼女の行き場のなかった素直さが出てきたような気もする
なんのとりえもないなんて(スカーレット 1-5)11月4日放送分
ひとは自分の価値観のなかでしか生きられないのだ
自分がアンテナを張っていないものは見えないし
評価することすらできないのだ
喜美子の絵の素晴らしさをお父ちゃんに説く草間さん
半分困りながら気のない返事をするお父ちゃん
うしろで心配そうに見守るお母ちゃん
落書きと言われ傷つきながらも
何でもないそぶりをして照子の家へ向かう喜美子
酔ったお父ちゃんには女の子には勉強は要らんと言われ
会社から帰ったお父ちゃんには勉強して来いと言われ
それでも喜美ちゃんは泣かないし立ち止まらない
周りにいる大人が、一緒にいる友達が
少しずつ増え、環境が変わっていく
理科の本から勉強をしはじめ
彼女の世界はどう変わっていくのか
彼女の可能性は未知数だが
このドラマが面白いのはもう確信している
転校一日目といい、この日といい
照子が音読しているときに先生が喜美子とやり取りをして
中断させるというかそのままにするというか
照ちゃんがちょっと気の毒だったな
腹の足しにならんもん要らん(スカーレット 1-4)10月3日放送分
15分の中で何度も心を揺さぶられる
草間さんから言われた言葉
紙芝居での場面
慶乃川さんとの会話
机の上にきちんと並べられた貰った絵の具
給食は命綱や!と家を飛び出す喜美ちゃん
草間さんが元気になるために奔走するのは
もとはといえば、自分のため・・ではあるのだけれど
それは思いがけないことを孕みながら
喜美ちゃんの得意なことへと繋がっていく
紙芝居みたい!と叫ぶ直子の声は
喜美ちゃんの口に出せない心のようだったし
酔ったお父ちゃんの言葉は思わずどきりとした
腹の足しにならんもん要らん!
思わず出た喜美ちゃんの言葉は
本人は気づいてないだろうが
言えない想いを隠すためのものだったのかもしれない
「きみはするどいね」とひそかに練習してきたのに
「時代は刻一刻と変わってるんや」とお呼びでない信作くんがツボ
いただきます(スカーレット 1-3)10月2日放送分
お父ちゃんが連れて帰った草間さん
喜美ちゃんたちと一緒の食卓について
いただきますとつぶやく
しかしながら心ここに非ずの風情で
たっぷりと注がれたおかゆにもほとんど手をつけない
満州から引き揚げてきたとのこと
傷ついたこころがかさかさ閉ざされたまま
そんな草間さんの心に風穴を開けるのは喜美ちゃんのひとこと
素直な子どもの自分なりの考えを自分なりの知識でしゃべったこと
草間さんのかすかな微笑みが優しい
「君は鋭いね」
その草間さんの言葉は喜美ちゃんの心に沁み込む
一家の苦労をこの歳で一緒に背負い込んでしまう喜美ちゃんに
きらきらした明るいものをもたらしてくれる
心の栄養が足りないとはよく言い表したもの
それでも、このものは乏しいけれど
きちんといただきますと言い交わされる
端正な食卓のある家庭で(父母のお箸の扱いが綺麗)
ふたりはそれぞれに豊かなものを分け合っていくのだろうと思う
風が吹くところにはきっとなにかが生まれていく
余談ですが
「引き揚げてこられたんですね」という富田靖子が
めんたいぴりりの彼女と重なって見えた
役柄とはいえ真剣に演じたひとには
その経験が人間を深めるのだと感じられた
あした晴れたらええな(スカーレット 1-2)10月1日放送分
信楽の土の良さは分からず土を投げ捨ててしまうけど
土が売れると聞いたら思わず目を輝かせてしまう喜美子
窯元の娘、照子ちゃん、本格的に登場
ぐいぐい上から目線で喜美ちゃんに近づいてきますが
まったく通用しないところが面白い
大きな街、大阪から来た子という期待は空振りでしたが
照子にこの態度というのは余所者ならではかもね
とはいえ、この照子、お嬢様のプライドは持ってるけど
だからといってよくある取り巻きでぐじゃぐじゃというのは
まったくないようなのが風通しが良くて好きかもしれない
でも、あのガキ大将?黒岩一味に対しては上の立場というのもいいな
ところで
ふと聴こえた素敵な言葉を題名に拾っているのだけど
昨日今日とお父さんの言葉なのに驚いている
綺麗な月やのう(スカーレット 1-1)9月30日放送分
新しい朝ドラになりました
もう毎日が楽しみでたまらない
久しぶりにブログに書きたくなりました
というわけで追っかけで少しずつ書こうかな・・と
時差がありますがよろしくお付き合いください
第一回、つぎつぎとあらわれる主要な登場人物
なかでも子役さんたちにもう釘付けであります
喜美子はもちろんのこと
静かながら強烈なインパクトがあったのは信作くん
なんであんた空き缶の竹馬の上が似合うの?
喜美ちゃんに一歩一歩と近づかれるときの
後ずさりの仕方がなんとも言えなかった
その前の登場の時からなんとも言えなかったんですけどね
ただ歩いているよりちょっとだけ現実から引いて見えるのはなぜ?
馬に乗ってる感じ?
なんだか妙に気になる存在ではあります
それにしても黒岩さんちの次郎くん率いる悪ガキ軍団?が
なんとも昔の少年漫画に出てくる仲間みたいで面白かった
喜美子のおとうちゃんが黒岩さんちに怒鳴り込んだ時の
黒岩さんちのお母さんの溜息からの一連の行動も
まあなんとも古き良き時代の悪ガキのおかあちゃんらしくて
そのあとのオチにがっつり笑わせてもらいました
そしてまたその後に照子の存在感!
このドラマ大好きな富田靖子が出ているのも楽しみのひとつ
今日はまだ控えめな感じですがきっとどこかでなにかあると思ってしまいます
うっかり封筒に入ってる全財産を大野さんに渡しちゃった
と、そんな場面ではありましたが
その後のおとうちゃんから察するに
「うちに置いておくより大野さんに渡してしまった方がなにかと安全」
と、どこかで察してわざと天然を装って渡してしまった
と読むのは富田靖子ファンの穿った見方というものでしょうか?(笑)
なにかと大変そうな川原家ではありますが
ラストでみんなで月を見上げているのはいいな
きっと根っこのところはきちんとしたものを持っているのだと
安心していられる気がする
富田靖子、川原姓に縁があるね・・とは夫のひとこと(めんたいぴりり)