撫子の花びらたち

すべての出会いは幸せのためであってほしい

闇がふうわりと薄くなっていく

空気が煌めきの予感を孕んで動いていく

手のひらが熱い

肩先から胸元へその熱を映す様にすべらせる

凝り固まっていたものが解けていく

ちいさな痛みを伴って

頭の芯がくらくらする

闇の中にちいさな花火が幾千も弾ける

からだがひとりでに動く

誰に教わることもなく何に強いられることもなく 

息が苦しくなる

からだ全部を使って大きく息を吸いこむ

間に合わないように吐いてはまた胸を開くように吸う

温かさを抱くように腕をのばし光を求める

声が漏れる

懐かしい歌に似たかたちになる

思い出せない詩はそのままにただ音のみを響かせる

不意に鼻の奥がつんとなる

長いこと忘れていた

そうだ、泣いてもいいんだ

 

色が変わるほどにかじかんだ指先に

ようやく温みが戻る

それでも涙の方がまだ熱かった

 

視線の先に雪

鉢植えの赤い実と白が交差する

温もりの中でしばし見とれる心地よさ

 

 

 

 

 

 

好きなものが見えてくる

文化の日、と、日曜日
いつもの二日休みだけどちょっとだけ特別な気がするのはなんでだろう(笑)


文化の日は異国の文化に触れてみよ〜!ということで
数日前に予約していたラテン文化センターの
サルサアルゼンチンタンゴのワンコインレッスンを受けてみる
サルサは明るいセンセイの片言の日本語に乗って
自然とからだが動いてくる
ジルバと似ていることもあって違和感なし
うっすら汗をかいてこれ絶対運動になるよねって充実感
続くアルゼンチンタンゴはちょっと手強かった
最初の組み方、同じようで全然違う
そこが分かるまでに半分は使ったかも
う〜ん、ちょっと遊ぶには奥が深すぎるかもね


今日、日曜日は高校ラグビー
花園へ続く県大会の準決勝二試合
家から歩いて行けるレベスタであるし行かない手はないのだけれど
持ち帰った仕事を片付けなければいけないし・・
迷った挙句に二試合目だけ駆けつける
レベルファイブスタジアム、来年のラグビーワールドカップに向けて(?)
シートが新しくなってました(私、変わってから初めてだった)
有料試合の時には一般自由席券では入れない中央席に陣取る
後半はワールドカップの時にこのあたりのチケットを買おうかと思ってる
やや端のほうの席に移ってみる
はは、なんだか試合じゃないことばかし書いてるね


久しぶりに高校ラグビーを観て分かったこと
わたし的にお薦めは県大会二回戦あたりだよってよく言ってるのだけれど
それってホントに自分の好みだしそういう観方をしてきたのだなと思う
父兄が群れ成してオソロのTシャツなんか着てるのより
選手の友人たちや彼女を含む数人の女の子が観てるののほうが好き
試合に出たくてたまらない奴がぎらぎら野心燃やしてるのは悪くないけど
高校最後の試合になるかもしれない三年生のために
後輩たちが揃って声を振り絞ってるようなのが泣ける
そんな応援を含む会場すべてにドラマを感じて
ひとり離れたところで観ながらちょっぴり鼻の奥がつんと来たりする
(あーまー大声出して応援してた時期もありますが)
そういうものが秋のラグビー観戦の醍醐味だったりするのだよね
※もちろん、おそろしく個人的な見解であります(笑)


プラス先週あたりから自転車復活させました
週明けにはもういちどきちんと空気圧を確かめよう



ひとりで過ごした二日間のあれこれ
あらためて自分の好きなものが見えてきた気がする
変わっていくもの変わらないもの
どれもが元気を与えてくれる
今回の場合ついでに心地よい筋肉痛までもらっちゃったよ(笑)

Amulet

明け方の夢に君が出てきたよ
会いたいなって思いながら忙しいだろうなって我慢してたら
街角のビルのエレベーターの前で待ち合わせしてる夢を見た
仕事が終わって急いで駆け付けたら君はスマホなんか眺めながら
その場所で何にも待ってない顔して立っていた
なんかムカつく
まあ、私より先に来てくれてんだからそんなこと言えないんだけどね

忙しいんでしょ?ごめんねって言ったら
そうなんだ忙しいんだ
でもって君もだろ?大変な時季なんでしょ?
だから今日はこのまま車に乗ろうよ
え?そして?

あれれれ・・そこで夢はフェードアウト
せっかく会えたのにそれだけ?

枕もとにはブルーの封筒
はしっこを持って中身をたしかめようとすると
中で何かが動く音がする
するするする・・ずずずずず・・・
小さな金色の金魚が紙の中を右へ左へと泳ぐ
暑い暑い夏にそこだけ水が流れて自由に動いている
そういえば大きなガラス張りの盥のような空間だったかも
水のないプールで光のゆらぎに泳いだ気分になって
光と水と木の香りの中で自分の中を気が通りぬけるのを感じてた
ショップの中でお互いに好きなもの選んで交換した
金魚すくいのポイを渡して小さな金魚をもらった
気が合うのかすれ違いなのか分かんないねって笑えた
ひとことも書き込まずに渡した手紙
ひとことも交わさずにもらった封筒


夢の続きはなんだったんだろうね
ガラスの箱のようなエレベーターに光が絡みついて
空まで連れて行ってくれそうだった
高いビルの屋上までいけば
光の溢れる街が展望台みたいに一望できたのかしら?
二人を乗せた車はどこまで走っていくのかしら?

疑問符だらけの眩しい朝に
金魚だけは涼しそうに揺れている
まあいいか
歩き続ければいつか行くべきところへ着くように
想いつづければきっとまた会えると思うよ
金魚の尾びれがふわふわと揺れて
ついておいでって言ってくれてる
私のこころのちいさなお守りみたいに

運転のお供は

しばらく慌ただしい日々を送っていた気がする
ふと家を見廻すとどこもどこか中途半端で
なによりなんだか暑苦しくてもたついていた
三連休はそのまえにすこし詰めて仕事したおかげで
すこしだけ余裕を持って過ごせた
なのでひさしぶりの模様替え&中掃除(笑)
二日間、半日ずつかけてなんとか落ち着いた
風が通り抜ける気分が心地よい


数日前からカーステレオにはユーミン
懐かしい歌を一緒に歌いながら車を走らせる
それでもふと気づく
とても好きな曲はカラオケで歌うようなものではなく
その曲のふとした場所で心を持って行かれるような曲
そして4位から30位あたりは混戦模様
というのはよくある話(笑)


昔カセットテープに入っていた
いくつかの曲とその音を遠い記憶の中に思い出す
鉛筆でメモ書きされた曲名とその文字
それはあのひとが誰のために作ったもの?
置き去りになった子猫を拾うように部室から持ち帰った一本
自分でダビングしたあの曲は誰のために作ったテープだったかしら?
行き場所無く長いこと本棚のすみに立ててあった
雑誌の切り抜きをはさんだそのケースの傷さえも
しばらく忘れられずに心の中にあった気がする


とうの昔に捨ててしまったものを
その不在をすこしだけ淋しがってみる
あのころのアルバムの曲順すらもう忘れてしまったくせに
最初は違和感のあったベスト盤の
次の曲が思い浮かぶ自分のことを苦笑いする

物語は始まったばかり (ラグビージャパン、イタリア戦に寄せて)

久しぶりのラグビーカテゴリーです
ラグビー熱が冷めていたわけではありません
ラグビー場に行くことは昔よりすこし減ったかな
それでもワールドカップは刻一刻と近づいています
あ、もちろん来年のラグビーワールドカップのことです


6月はジャパンの試合が3試合もあって
これは注目するしかない!です
サンウルブズも調子をあげてきたことだし期待は大きい
先週の土曜日9日にあったイタリア代表との試合は
もう見事としか言いようのないほどの出来でした
中でも地元出身福岡選手の活躍は目を見張るほど!
快走トライはもちろんのことその仕事量の多さと的確さに
やっぱり彼のラグビーセンスと性格の素晴らしさそのものだよな
と、知り合いでもないのに得意げに頷いて嬉しがっておりました


さて一週間経ってのイタリアとの第二戦
会場を大分から神戸に移しての試合
先週の大分銀行ドームに続き今回のノエビアスタジアム神戸
来年のワールドカップの舞台となる競技場
それをテレビでとはいえ一足先に観られるのはちょっと嬉しい
選手たちも実際にそこでプレイできるのは意味のあることに違いないですね


入場する選手たちの表情がいい
先週の勝利がひときわ落ち着きとプライドになって
そこに輝きを添えている気がする
どの選手も静かな闘志を内に込めたいい顔をしている
括りから言えば新人と言える若手の選手たちも負けてない
稲垣選手ってこんなに男前だったっけ?とちょっと惚れ惚れ(笑)


試合内容の詳しいことはいつものごとくほかの方にまかせるとして
まあ、ティアワンというものはやはりあるのかなと思える内容
先週の結果を踏まえた対応がきちんとなされていて
相手に手ごたえがあるとみればそれだけ人数をかけてくるし
危ないと思った相手のことはきっちりマークしてくるし
自分たちのやるべきことためにはいささかわざとらしくでも
ペースダウンのための行動をとったりプレッシャーかけたり
そこいらへんの駆け引きやなんやは良くも悪くも経験豊富な感じ
田中選手が世界に出てそしてジャパンにかえって来てくれたとき
おお!ちょっと違う!と思ったそのあたりの機微というかなんというか
そういうものはやっぱりあるにはあるのだろうなあと思う


でもまあそれはいい
どんなプレイをどんなニュアンスでするにしろ
やるべきことは小手先ではなく本来の自分たちの強みを出し
ラグビー本来の技術の精度を上げること
ワールドカップ前年にこんな素晴らしい試合がいくつもできることが嬉しい
2015年のワールドカップでいい試合をしたからこそ
これだけのカードで戦えるチャンスが訪れたのだから
間違いなくジャパンは素晴らしい財産を残し繋いでいると思う



試合中にシビレた場面をいくつか・・


相手チームとの接触か、しばらく蹲っていた福岡選手
メディカルのひとが近づいて手当をしているところが映っていた
どうやら左目上ぎりぎり瞼のあたりに傷を負い出血していた模様
手当を終え大丈夫!と手を挙げプレイに戻る彼の左目の上は明らかに色が変わっていた
それでも顔をしかめることも何かを気遣うそぶりも見せず
先週の試合の直後と同じように涼しい顔
その表情と佇まいがまさにクールでもうカッコいいったらありゃしない
以前より体つきも逞しくなってゾクゾクしてしまうほど男を感じさせられた


試合もいよいよ終盤
もう一本!トライとゴールを、そして願わくばもう一本トライを!というあたり
待望のトライを決めたのはフルバックで活躍する松島選手
先週八面六臂の活躍をした福岡選手は相手チームからのマークが厳しく
思うように動けない中、今日は松島の動き、働きがとても効いていた
見事なトライを決めた彼はチームメイトがナイス!と近寄ろうとするのを
するりと躱すかのように見えるほどすばやく
自らトライしたそのボールをそのまま拾い上げ
ゴールキックを蹴る松田選手に渡すためにそのキック地点へと運ぶ
このトライで終わらせようなどと思っていない
目指すは勝利だ!
たとえあと20秒しか残っていないとしても
そこにワンチャンスの可能性があればそれに挑まない手はない
彼の瞳はまっすぐに目指すものを向いて澄んでいる
カッコいい!カッコ良すぎる!!!


前回2015年のワールドカップからこちら
その彼らが残したものが大きすぎて
なにかと比較され続けたジャパンではあった
それでも選手たちはその中でやはり成長し続けてきたのだと思う
苦しみながら足掻きながら前へと進んできたのだ


その間、ファンである私たちは何をしてきたか?
と、自分に問うてみる
彼らの必死のトレーニングと苦悩に比べれば
ちょっとお休み気分ではなかったか?
反省をそうする半面、もしできたことがあるとすれば
ラグビーを通じた友人たちの数を増やしてきた
ラグビーの話を出来る場所を少しずつ増やしてきた
それならばこれからできることは・・・


少しでも選手たちが気持ちよくプレイできるようにすること
少しでも応援する人を増やす手助けをすること
4年前から比べればそれはもっとなにかできる力を蓄えていると思う
さあ!
物語はこれからだ!
来年に向かってもうひとつギアをあげて始めることにしよう


おまけ

試合が終わったあとにはホントにすぐにノーサイドの場面
日本選手とイタリア選手がそのジャージを交換しているのが素敵
その双方のナイスバディが映るのもちょっとした眼福でした(笑)


試合開始前に映った観客席の様子
ジャパンのジャージを着て応援するひともいれば
中にはイタリアのジャージを着ている人も
あら!みんながジャパンの応援じゃないんだ!と一瞬思ったものの
それってラグビーを楽しんでるってことだよね!
自分の中でまだまだの部分を感じてちょっと苦笑いでした






さて私事ですが(って私事しか書いてないけど)
ご縁をいただき地元のフリーペーパーのウェブ版に
不定期的にコラムみたいなものを書かせていただけるようになりました
来年のラグビーワールドカップを少しでも多くのかたに知っていただくことを
第一の目標にしてあれやこれやと綴っております
もしよろしければどうぞご一読ください
ラグビー仲間のカメラマンさんが写真を提供してくれているのも
有り難く楽しみにしております

ファンファン福岡 特集カテゴリー
「このときめき 恋に似てる」
https://fanfunfukuoka.com/pink-blossom-2019/

現在の最新記事『つないだ手組んだ腕から伝わるあなた』
https://fanfunfukuoka.com/feature/127174/

よろしくお願いします♡

依子さん

死なない人
わたしが生きてるあいだ中わたしといてくれるひと


理想の人を聞いたらそう即答した依子さん
その日はそれ以上一言も話せなかった
いつもにこやかで私が落ち込んでいるのを励ましてくれる彼女が
そのあと一言もしゃべらず
何曲かじっと曲をきいたあとごめんねってつぶやいて
ふいと店を出て行ったのだった



ねえ、マスター
わたしなんか悪いこと言ったかなあ?
うん?どうかなあ・・
え?そんなことないよって言ってくれないの?マスター!
ははは、そんなことないよ〜
もう!今頃いってくれても遅いし〜!


マスターはあちこちで映画に関してとか
音楽に関してとかの文章を書いていて
それを読むととてもロマンチックでまた理論派で
なるほどなるほどとあんまりわかんないことも
すっごくよく分かる気がしてこういうのいいなあと思うのだけど
実際に会うととっても礼儀正しくてシャイなおじ様
早くからその文章に出会っていた私は
依子さんに連れられてこの店に来るようになってから
随分と経ってからそのこととこのマスターが一致した



まあ、ね
大丈夫だよ
依子さんは相手に文句があれば
ちゃんと相手に言うひとだから


マスターは依子さんのこと
ずっと前から知ってるの?
ん〜・・いつからだったかな
知ってはいたけど話すようになったのは割とこのごろ
だって依子さん人見知りじゃない?
大切なことはきちんと言うけど
あんまりおしゃべりでもないしね


ええええ〜〜〜!
マスター・・それほんと?
私の知ってる依子さんと違うかもです・・・

昼の月

見上げると青空に浮かぶ月
ひさしぶりね


どうしてこんなに考えているのだろう
ううん
考えても悩んでもない
ただあなたのことが思い浮かぶだけ
淡くうすいブルーを透かす昼の月のように
ふと気づくと心の中にある


ふたりだけの夜のことも
ふたりだけの場所のことも
過ぎ往くときに洗われ
夢のように儚げだけれど
それでもいいと思った時から
私の中では輝きを増してる


夢の中で
あなたの肩に頭をのせて
あなたの体温を感じながら踊ることにしましょう
ふたりの好きな曲を低く流して
目を閉じてゆっくりと


まぶたには昼の月
いつかみたいに
力をこめて抱きしめてちょうだい